週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

新築「アズ亀戸ビル」竣工 専有面積16坪のコンパクトサイズ

2021.07.12 10:56

 コロナ禍において「オフィス不要論」等があるものの、実際は手堅いオフィス需要が顕著。ただこれまでの都心オフィスエリアを求めるのではなく、住宅街と程よく近い地域でのオフィスである。職住近接や地方企業の東京支店ニーズに合ったビルが亀戸で竣工した。

 アズ企画設計(東京都千代田区)は5月末に、新築ビル「アズ亀戸ビル」を竣工。リーシングを進めている。JR「亀戸」駅から徒歩2分、東武亀戸線「亀戸」駅から徒歩3分に立地する。
 「アズ亀戸ビル」は、江東区亀戸1丁目の京葉道路沿いに位置するオフィス・店舗複合のテナントビル。施工会社の末長組本社と共同開発。RC造・地上10階建て。1階は店舗、空中階はオフィス仕様。オフィスの専有面積は54・45㎡(16・47坪)とコンパクトサイズである。1フロア1テナント。専有部内にはパウダールームやミニキッチン、カラーモニター付きのインターフォン等を備えている。エレベーターは不停止制御が可能な点が特徴。一時的に特定の階へ停止しないように設定できる。具体的には例えば、スタッフが退社後は自社オフィス階にエレベーターが停止しないため、防犯対策に優れた仕様と言える。
 投資企画事業部の森主大介氏は「リーシングは6月中旬から開始しており、6月末時点で20~30件の問い合わせが来ています。既に1階・路面店と最上階の10階は成約しており、10階は中部地方に本社を構える企業が東京支店として入居しました。秋葉原から東に位置する地域で新築の『綺麗なビル』を探していたそうで、秋葉原や錦糸町等も移転候補地だったとのことです。当ビルを内覧した際に、新築であることと10階からの眺望も気に入って頂き入居が決まりました」とリーシングの順調ぶりを窺わせる。
 末長組と開発したオフィスを主体とした新築ビルは、昨年同時期に建設した「アズ秋葉原ビル」に続いて2棟目。「アズ秋葉原ビル」はおよそ3カ月で満室稼働となり、現在は売却して同社保有の物件ではなくなっている。森主氏は今回の「アズ亀戸ビル」も同程度の期間、もしくは前倒しで満室稼働になると見ている。森主氏は「亀戸は都心へのアクセスに優れていながら、住環境にも適した地域です。飲食店や店舗が駅近隣に充実しており、少し歩くとマンションやアパートが林立しています。ビジネスと住居の双方のニーズに応えることが可能なので、その点を好んで当ビルへ入居を決める企業も多いと思います」と強調した。
 また同社は駅北口から徒歩2分に立地する、2019年竣工の店舗ビルを取得。「アズ亀戸テラス」としてリーシングを行っている。地上3階建て・ガラスウォールを採用したビルで、専有部は約55坪。オフィスだけなく店舗需要にも応えられる地域柄、物販や飲食店、来客型のサービス店舗等の誘致に取り組んでいる。「アズ亀戸ビル」と共に同時期に内覧会を開始しており、不動産仲介会社を中心に多くの人が内覧した。

PAGE TOPへ