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三信/東洋不動産 昨年10月竣工「プライムテラス神谷町」

2021.03.22 15:17

延床面積約9200㎡ 駅徒歩1分の新築ビル
 昨年10月に東洋プロパティから社名を変更した東洋不動産(東京都港区)は、三信(東京都中央区)と共同で、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から徒歩1分の好立地に延床面積約9200㎡の「プライムテラス神谷町」を建設した。都内でも屈指の成長著しい虎ノ門・神谷町エリアに、新たなビジネス拠点が誕生した。
 同ビルは駅の地上出口からおよそ80m、桜田通りから「ホテルオークラ東京」へ向かう道沿いに立地する。外観は各階テナント専用のテラスが重なりながら突起した特徴的な造りをしており、敷地内及び内外装の様々な箇所に「緑(植栽)」や「木」を施したことで温かみが感じられるデザインとなった。特にエントランスホールは緑と調和する2層吹き抜けの空間を設けて開放感を演出。内装に植栽の大型壁面や木質の壁面・階段等を設置し、リラックス効果の高い環境づくりを実施した。
 またガラスウォールを外壁に採用することでエントランスからの開放感をビル全体に持たせることにも成功。エントランスが南側に位置しているため、ガラスウォールから入る日差しで自然とホール全体に温かみが感じられる雰囲気となった。1階のホールには待ち合わせやリフレッシュに利用できる座席も設け、昨今のフレキシブルなワークスタイルにも対応できる。
 一方オフィスは1フロア約203坪(670㎡)の無柱空間で、天高は2850mm~3000mmと一般的なオフィスよりも多少高めに構築。天井にはグリッド型システム天井を採用し、モジュール内で照明等の移設が容易。レイアウトの自由度を実現し、入退去に伴う工事のコスト削減と工期短縮にも繋がった。各フロアにはゆったりとしたエレベーターホールを設けて、フロア貸しの場合はホールに受付を造ることや壁面をアレンジすることも可能。コーポレートカラーを全面に表現したい企業へ柔軟に対応できる。1フロアの分割も対応可能だ。
 不動産投資部の神田正樹副部長は「フロアごとにテラスの配置を変えることで、オフィス空間の変化を演出しました。また階数によってテラスやオフィス北側から見えるパノラマビューも変化し、当ビルへ入居を検討する企業にとってもビル単体での選択肢が広がりました。実際3階と8階でテラスから見えるがビューが違い、3階であれば『緑の中で仕事をしている』雰囲気が味わえ、8階は『虎ノ門界隈が望める眺望の良さ』を体感できます。テラスにも緑を設けてリフレッシュや快適性を感じられる造りとしており、自然との一体感や緑との連続性を表現できたことも魅力です」とビルの持ち味について語った。
 立地環境も優れている。最寄り駅からのアクセス性に加え、IT企業の集積が進む六本木や官庁街の霞ヶ関には直通。渋谷・新宿・品川等の都心オフィスエリアの西側や「東京」駅周辺にも10分弱で移動ができる。
3D内覧を活用 リーシングに好影響
 また虎ノ門・神谷町界隈ではここ数年大規模再開発が進行中。昨今は「東京ワールドゲート」や「The Okura Tokyo」等が竣工し、今後も大規模複合再開発の完成が見込まれる。東京のアジアヘッドクォーター特区に指定され、街の更なる発展や競争力強化が急速に進む地域であることも特筆すべき点だ。各国の大使館が港区に集積するため、外資からは日本拠点の候補地にも好まれている。
 同社も外資からの問い合わせや昨今のテレワーク普及の動きから、ネットを介した3D内覧を採用した。専門サイトではビルの外観やエントランスホールの風景、各フロアのオフィスやテラスからの眺望、屋上のルーフトップガーデン等も閲覧できる。外資をはじめ国内の企業でも3D内覧を活用する様子があり、リーシングにも上手く影響している。
 神田氏は「コロナ禍において、企業の働き方やオフィスで働く意義も大きく変化してきました。当ビルではその様なニーズの変化も意識して、単なる無機質なオフィスビルを造るのではなく、入居企業の既存事業やイノベーション、発想等を刺激するビルを構築しました。エントランスやテラス、入居テナントへ開放する屋上のルーフトップガーデン等を生かし、新しいビジネスシーンを実現できます。まだ数フロア空きは御座いますが、問い合わせも来ており満室稼働ももう間もなくと見ています」と語った。

物件需要
住  所 東京都港区虎ノ門4-17-1
事 業 主 三信、東洋不動産
延床面積 9220.61㎡
敷地面積 1576.96㎡
規 模 地上10階地下1階
竣  工 2020年11月

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