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「ヒューリックJP赤坂ビル」満室で竣工

2020.12.28 14:29

 ヒューリック(東京都中央区)および日本郵政不動産(東京都千代田区)が共同で開発を進めていた「(仮称)赤坂二丁目開発計画」が、「ヒューリックJP赤坂ビル」として今月18日に竣工した。満室でのスタートを切る。
 同ビルは、東京メトロ銀座線「溜池山王」駅より徒歩2分、千代田線「赤坂」駅より徒歩5分の、外堀通りに面した交通利便性・視認性に優れた立地に建つ。敷地面積961㎡、延床面積7973㎡、地上12階塔屋1階の中規模オフィスビルで、1階をエントランス、2階を駐車場・機械室、3~12階をオフィススペースとしている。
 構造はS造一部SRC造とし、2階と3階の間での中間層免震構造を採用。高い耐震性能を有しているだけでなく、水害対策として機械室や機械式駐車場を2階に設置。また、災害時や停電時の対応として異系統2回線受電方式を採用し、万一両系統からの電力供給が途絶えた場合でも、非常発電機により共用部・専有部の一部へ72時間の電力供給継続を可能とし、災害時における安全性やBCPサポートを提供する。
 コンセプトは「働く人にとってウェルネスな空間」。オフィスワーカーがより良い環境で働けるような空間づくりに注力し、壁面緑化を配したファサード、リフレッシュスペースとしての屋上庭園、天井高3・8mの全面木天井の開放感溢れるエントランスに木ベンチや木棚を配置、自然素材を多く取り入れた設えとした。
 オフィススペースは基準階専有面積165坪の整形な無柱空間とし、ガラスカーテンウォールからは日枝神社や首相官邸の緑を臨むことができる。環境配慮や利用者の快適性を高める自然換気システムも導入。共用部には木棚や掲示板を配し、ワーカーがちょっとした立ち話やラフなミーティングに使えるウェルネスな仕掛けを提供する。また各階に多目的トイレを配置して、入居企業のダイバーシティにも貢献していく。こうした取り組みが評価され「CASBEE―ウェルネスオフィス」認証においては最高ランクのSランクを取得した。

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