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「東京虎ノ門グローバルスクエア」竣工

2020.07.20 15:18

 虎ノ門駅前地区市街地再開発組合(東京都港区)が計画を進めてきた「虎ノ門駅前地区第一種市街地再開発事業(国家戦略都市計画建築物等整備事業)」の施設建築物「東京虎ノ門グローバルスクエア」が竣工した。
 同事業は、2015年6月に「東京圏国家戦略特別区域における国家戦略都市計画建築物整備事業」として内閣総理大臣の認定を受けた再開発事業。建物の老朽化や隣接する「虎ノ門」駅の混雑といった街の課題の解決を目指し、2012年にまちづくりの方向性について検討を開始。その後、再開発組合設立、権利変換計画認可を経て、2018年1月に工事着工していた。なお再開発組合には森村不動産(東京都千代田区)、不二家ビルデング(東京都港区)、日本土地建物(東京都千代田区)、住友不動産(東京都新宿区)、東京地下鉄(東京都台東区)、野村不動産(東京都新宿区)が参画している。 
    「東京虎ノ門グローバルスクエア」は敷地面積2782㎡、延床面積4万7261㎡、地上24階地下3階。立地する虎ノ門エリアは、都心部と臨海部を結ぶ環状第2号線の開通により臨海部や国際空港へのアクセス性が向上、6月には日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅が開業するなど、高次の都市機能集積が期待されるエリアとなっている。
 地区内には「虎ノ門」駅の既存プラットホームに連続する形でプラットホームを拡幅し、地上と地下に合計約1400㎡の駅前広場を整備した。またエレベーターとエスカレーターを設置することによって、朝夕のラッシュ時の混雑を緩和し、安全性と利便性を兼ね備えた歩行者ネットワークの形成を実現した。
 銀座線「虎ノ門」駅からは、地下歩行者通路を経由して、日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅や、エアポートリムジンやBRTが発着するバスターミナルへ直接アクセスが可能となった。都心部および空港への交通網がより強化されることで、国際的なビジネス拠点としての機能強化に寄与する。
 オフィスフロアは、柱を壁面に配置し全方向に窓がある開放的な空間設計。オフィス天井高は3・0mを確保した。その他の特徴としては、33分割が可能な個別空調方式・高効率LEDシステム照明・OAフロアを採用した。
 なお同ビルは、米国グリーンビルディング協会が行う、環境に配慮した建物のみに与えられるLEED―CS予備認証GOLDを取得している。
 災害時の帰宅困難者のための一時滞在施設(地下駅前広場、エントランスホール)や非常用発電設備、防災備蓄倉庫などの災害インフラも整備する。BCP対応に取り組むだけでなく、高度な防災都市づくりにも寄与する。

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