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コロナで失職した外国人人材を紹介 特定技能としてビル清掃業などに

2020.07.06 15:42

 外国人人材紹介事業などを手がけるアクセスHR(大阪市都島区)は、新型コロナウイルス感染症流行により働くことができない外国人技能実習生を、特定技能外国人としてビルクリーニング事業者などとマッチングするサービスを開始した。前川聡社長にインタビューした。

――今回のサービスを始めたきっかけは。
前川 外国人技能実習生は日本で3年間就業すると、特定技能にビザを切り替えて引き続き日本で生活・就業することが可能になっています。しかし、新型コロナウイルス感染症流行により、サービス業を中心に経営が悪化する企業が増えており、実習先から特定技能へ切り替えての就業を断わられる実習生が多数発生しています。
――彼らは、現在どうしているのですか。
前川 監理団体が新たな実習先などを手配できればいいのですが、それができない場合は「働きたくても働けない」という状態になってしまいます。「働けないなら帰国したい」と考えても日本と母国を結ぶ飛行機も飛んでいませんから、帰国もできず無為に日本で生活するしかありません。当社は、特定技能外国人の受入れや来日後の各種支援を行う機関「登録支援機関」となっています。当社で彼らを特定技能外国人としての滞在資格に切り替え、外国人人材を求める企業とマッチングすることが可能です。
――ニーズはありますか。
前川 特定技能は現在14の業種が対象になっています(別掲)。このうち、宿泊や外食などは新型コロナの影響で経営が厳しく、人をそれほど必要とはしていませんが、ビルクリーニングや介護などは深刻な人手不足が続いています。また、現在のところ特定技能だけでなく、技能実習生、留学生など外国人の来日ができない状況であり、これまで外国人の労働力に頼っていた企業では対応に苦慮していますので、ニーズは多いと踏んでいます。当社では14業所のうち、建設を除く13業種について対応が可能です。サービス提供エリアは全国です。
――マッチングする人材の特徴は。
前川 技能実習生として日本で3年間働いてきた経験がありますので、日本語能力も高く、日本での生活にも慣れています。日本の会社の仕組みやルールなども十分に理解していますので、即戦力として期待できます。企業側からの依頼を受けて当社で求人広告などを出して人材を募集しますので、ミスマッチも少ないです。現在、求人を出して1週間以内には応募があるような状況ですので、急ぎのニーズにも応じることも可能です。

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