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スウォッチ・グループ新社屋に高機能膜材フィルム+木材の大屋根 太陽工業が設計・施工

2020.02.26 21:42

 テント構造物などの大型膜面構造物を手がける太陽工業(東京都世田谷区)。同社はスイスのスウォッチ・グループ本社の新社屋にかかるETFEフィルム製の大屋根の設計、製造、施工を担当し、その大屋根が完成したことを発表した。
 太陽工業の現地法人(Taiyo Europe GmbH)が受注したETFEフィルム製屋根は、スイス・ベルン州ビエンヌに新設されたスウォッチ・グループ本社に使用されている。坂茂建築設計(東京世田谷区)が設計した新社屋には、スウォッチ・グループ本社、スウォッチ・グループに属する高級時計オメガの工場が入る。展示場や博物館も計画され、それら施設を覆うように半円柱形状の屋根がかけられている。
 自由な発想で知られるスウォッチと、高品質で堅実なオメガという異なる特色のブランドを橋渡しするように設計された大屋根は、大きく曲線を描いた木造フレームによる幾何学的なグリッドが特徴。全長240m、幅35m、最大の高さが27mある。今回、その大屋根の一部を構成するETFEフィルム製のクッションに関する設計、製造、施工をTaiyo Europe GmbHが請け負った。クッションの面積は合計で約3800m2を占め、3次元に曲面を描く木造枠組みに隙間なくクッションが取り付けられるように、高精度の設計と加工技術が要求されたという。
 木材を活かした構造を数多く手掛ける坂茂建築設計と太陽工業は、フランス、メッスのポンピドゥ・センター・メス(2010年完工)においてもジョイント。木材と膜材を組み合わせた象徴的な膜屋根を完成させた。
 同社は今後も世界的なプロジェクトに参画し、付加価値の高い空間の創造を目指す考えだ。

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