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三菱地所 「CLT PARK HARUMI」竣工 木材活用のシンボルに

2019.12.16 16:01

 三菱地所(東京都千代田区)が東京都中央区晴海において開発を進めてきた「CLT PARK HARUMI(旧名称:CLT 晴海プロジェクト)」が11月29日に竣工した。
 同施設は、三菱地所として首都圏において初となるCLT( Cross Laminated Timber/板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大判パネル)を使用した計画。隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)がデザイン監修、三菱地所設計(東京都千代田区)が設計監理、三菱地所ホーム(東京都港区)が施工を担当した。
 2019年12月14日の開業から2020年秋までの1年間、東京・晴海の地で運用される。木材の特性を生かしたその特徴的な形状から、国内外を問わず多くの人々にCLTの魅力を伝えるシンボルとなるだろう。
 「CLT PARK HARUMI」では、岡山県真庭市産のCLTを施設全体で680m3使用。「パビリオン棟」をはじめとして、建物そのものから漂う木材独特の風合いを楽しむことができる。晴海の地にふさわしい文化の発信拠点として展示され、グーグル(東京都渋谷区)がデジタルスキル習得をサポートする施設、「Grow with Google ラーニングセンター」を運営。また、プレースホルダ(東京都品川区)がエデュテインメント(教育+エンターテインメント)型アトラクションを活用したコミュニティスペース、「PLAY FOREST Directed by PLACEHOLDER」を開設するなど、様々な世代が楽しめる仕掛けも用意されている。晴海での活用後は、部材をリユースし、CLT材の生産地である岡山県真庭市の国立公園蒜山(ひるぜん)に移築される予定。移築後は、観光および芸術・文化の発信拠点として利用される計画で、隈研吾氏によるデザインを活かした、蒜山高原一帯の新たなランドマークとして生まれ変わる。
 三菱地所は、同施設の運営を通じ、国内外に広く国産材の魅力をアピールしながら、同社の開発事業でも引き続き CLT活用を一層推進していく。

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