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兜町の元銀行をリノベーション ホテルとグルメの複合施設「K5」2020年2月開業

2019.11.18 16:30

 日本橋兜町は、故・渋沢栄一氏が邸宅を構え、日本で初めて銀行や証券取引所などを起こしたことから、「コト始めの街」「投資の街」「証券の街」としての地歴を有する。
 今、この地で注目されているのが、大正12年(1923年)に建てられた元第一銀行の建物で、現在は東京証券取引所のすぐ裏手に佇む「兜町第5平和ビル(地下1階地上4階)」。現在も外観と躯体がほぼ当時のまま残り、重厚な風格を漂わせる同ビルで、注目のリノベーションプロジェクトが進行している。
 同プロジェクトを進めているのは、Backpackers’Japan(東京都台東区)、Media Surf Communications(東京都目黒区)、Insitu Japan(東京都目黒区)の3社。「Revitalize -新しい命を吹き込む-」をコンセプトに、歴史的な建造部分を可能な限り残し、宿泊、飲食、植栽や空間を楽しむことができる新たなランドマークにリノベーションする。その名称は、建物の現行名称「兜町第5平和ビル」からKABUTOのK、第5の5を組み合わせた「K5(ケー・ファイブ)」に決定。2020年2月1日の開業を予定している。
 3社は合同で、新会社「FERMENT(ファーメント)」を設立。同新会社が「K5」のブランディング及びマネジメントを担っていく。また、現在「K5」をはじめこのエリアにおいて、幾つもの物件を所有する平和不動産(東京都中央区)による「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」が進行中。平和不動産は、K5プロジェクトのパートナーとしてサポートを行い、エリア全体の魅力を高めていく。
 「K5」のもう一つの魅力は、入居予定のテナントの斬新な顔ぶれだ。
 地下1階にはビアホール「B」がオープン。多種多様なビールを片手に楽しめる様々なコンテンツが予定されている。1階には、日本、フランス、デンマークなど多様な文化によって創発された東京・目黒の人気レストランKabiの新店舗「CAVEMAN」が開店。国籍にとらわれない料理の数々を、ナチュラルワインやビールと合わせて提供する。
 同じく1階には、バーとコーヒーショップも出店。ライブラリーバー「青淵」は、アジアのお茶や漢方をベースにしたカクテルを提供。日中はティーサロンとしても営業。コーヒーショップ「SWITCH COFFEE」は、東京の目黒と代々木八幡に店舗を構える人気店だ。
 そして、2~4階には客室数20(20~80平米)室の「HOTEL K5」が開業。「都市における自然との共存」をテーマに、インテリアとプロダクトデザインは、ストックホルムを拠点に活躍する3人の建築家のパートナーシップ「CLAESSON KOIVISTO RUNE」が率いるデザインチームが担当し、シンプルで上質なホテルとなる。
 「K5」は、新しく生まれ変わり始める「日本橋兜町」のHUBとなるような存在として、価値ある建物に再び新しい命を吹き込み、街全体の活性化にも寄与することを目指している。

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