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ファースト 適正価格の清掃を実現する「クリーンファースト」スタート

2019.11.11 12:28

 ビルメンテナンス事業を行うファースト(東京都港区)が10月18日からオフィス清掃の初回無料サービス「クリーンファースト」を開始した。
 同社は今年3月に代表取締役の横山和夫氏が創業。官公庁向けに建物管理を行っている企業の出身。キャリアとノウハウを積み、事業責任者を務めた後にファーストの創業に至った。
 「ファースト」という社名には、3つのファースト「NO.1」、「お客様第一主義」、「最速のサービス」の思いを込めた。横山氏は「以前に所属していた企業では官公庁向けを専門に管理業務を請け負っていました。ただ官公庁向けの業務のみで事業を継続していくことにはいくつかのハードルがあることを感じていました」と明かす。その「ハードル」とは何か。
 「ひとつは官公庁向けの案件は入札制で2~3年ほどの契約期間を終えると、再入札になります。万一、一番札を取れなければ案件を失いますのでビジネスとしては弱い側面があります。もう一つは民間と異なり、求められる作業レベルが高く無い場合があります。そのため清掃レベルの向上が難しいと感じました」。
 ファーストでは民間・官公庁の双方に事業展開を図っていく。エリアは東京都内を中心とするが、ゆくゆくは営業所などを開設して広域の展開も目指していく方針だ。  今回発表した新サービス「クリーンファースト」。清掃面積100㎡以内の日常清掃で、清掃時間は1時間以内である場所が対象となり、初回の清掃料金については無料にするという。その狙いはどこにあるのか。
 これまでの清掃サービスでは料金の見積もりを現地調査して算出することが通例となっていた。しかし横山氏は「それだと見積価格が割高に設定されることが多々見受けられます」と明かす。「クリーンファースト」では無料で1回清掃を実施することで、精緻な見積もりの算出を可能にする。
 今回のサービスの主要な対象はテナントオフィスだが100㎡以内ならば、ビルのエントランスや共用部かつ店舗なども対象となる。オフィスの清掃サービス料金は週間の作業回数で変わってくる。たとえば作業回数週1回、月平均4~5回だと金額は1万5000円~となる。また芝法人会会員向けでは、1カ月目のサービス料金は10%値引きする。
 「クリーンファースト」を市場開拓の先兵役に、月間5~10件の受注を目指していくとしている。




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