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鹿島 ビルの明るさ、ロボットが測ります 照明設備の照度測定・調整作業を無人化

2019.10.07 14:53

プログラムによる自動走行で測定
   鹿島(東京都港区)は、建物の竣工直前に行う照明設備の照度測定および調整作業を無人化するロボットを開発した。愛知県と大阪府内で施工中の現場に適用し、照度測定機能を検証したところ、熟練作業員と同等の測定結果が得られ、作業人数は従来と比較して約80%削減できたという。
 建築工事では、建物の竣工直前に各設備機器の試運転や調整を行う。このうち天井の照明設備については、机上面や床面の照度が設計値通りになるよう全ての照明設備を対象に検査・調整する必要があり、検査対象は膨大な数になる。加えて、太陽光の影響を避けるために夜間に作業する必要があり、現場管理者にとって大きな負担となっていた。
 同社は、昨年策定した「鹿島スマート生産ビジョン」において、「作業の半分はロボットと」をコアコンセプトの一つに位置付けている。それに基づき、繰り返しの作業や厳しい環境下での作業、並びに自動化により効率や品質向上が図れる作業を対象として、自動化・ロボット化を推進している。
 今回開発したロボットは、まさにその取り組みの成果の一つ。照度測定を自動で行い、その測定データを建物側の明るさセンサーに送信し、照度の調整作業までワンストップで行うことができる。
 あらかじめ測定するエリアの図面データを読み込み、照明と照度センサーの位置を認識し自動で走行経路を決定。走行時は搭載したレーザーレンジファインダー(以下、LRF)が壁からの距離を計測して自己位置を認識し、正確にルートを走行する。ルート上に障害物があっても、LRFが障害物を認識し自ら回避して走行ルートに戻る。さらに、走行しながら常に自己位置を確認・補正するため、正確に測定ポイントで停止し照度測定を行うことが可能だ。
 照度測定にあたっては、照度計を搭載したアームが上下し、床面から一般的な机上面の高さ(800mm)までの範囲内で任意の高さの照度を測定できる。測定データは照明制御システムに送信され、目標照度に調整するところまで行うことができる。床レベルの照度も測定できるため、非常照明にも適用可能だ。照度測定動作は1箇所あたり2秒ほど。短時間で効率的に測定を行い、測定データは品質記録として出力できる。
 鹿島では、今後は様々な現場に適用しながら改良を進め、将来的には騒音・温湿度測定などの照度測定以外のルーティン作業の無人化も視野に入れているという。


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