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決算詳報 ストライク 2019年8月期決算説明会開催

2019.10.15 14:30

M&A大型案件が増加傾向に
 業界でも事業承継の一手法として注目が集まるM&A。それを手掛けるストライクが2019年8月期決算を発表。コンサル強化に向け、ネット戦略の強化を打ち出す。

 東証一部上場のM&Aコンサルティングを展開するストライク(東京都千代田区)は7日、2019年8月期通期決算説明会を開催した。
 2018年9月~19年8月までの売上高は50億7700万円、経常利益18億8900万円で過去最高を記録。ともに計画ベースを上回った。一方、M&A成約件数は104組となり、目標であった120組には未達に終わった。一方新規受託件数は目標266件に対して289件と上積みに成功した。傾向としては、大型案件(1組あたりの売上が1億円以上)の成約が6組と前期比倍増。一方で大型化に伴い大手企業が買手候補になることも多くなり、成約までの期間の長期化もみられた。
 2020年8月期は売上高62億7500万円、経常利益22億3700万円の計画を立てる。成約件数は143組、新規受託件数は358件と設定した。同社では2017年12月に役員、従業員を対象にした有償ストック・オプションを発行。行使条件のひとつとして2019年8月期、2020年8月期のいずれかの期で営業利益20億円の達成が必須となってくる。今回立てた目標は外せない。
 そのために同社では新しい施策も打つ。展開するオウンドメディア「M&AOnline」は2018年11月に月間PVが100万を突破。その後、現在まで月間100万PV以上を獲得し、次の目標は200万PVに据える。そのなかで収益化策を開始している。ひとつは他社が売手FA(ファイナンシャルアドバイザー)となっているM&A案件を掲載し、買手企業とマッチングさせる「M&AOnlinne Market」。そして買収意欲が高まる中で売手企業不足に応える「求社広告」。加えて100万超のPVを活用しての一般広告。この3つで3年後までの単体での黒字化を目指す。
 また人員採用も進める方針だ。2019年8月期は42名増員となって、期末には98名まで増えた。これを2020年8月期までに期末121名(27名増員)と計画する。前期入社のコンサルタントの収益貢献も期待したいところだ。
 また業務提携先の拡大も狙う。金融機関や士業などのプロフェッショナル、投資会社などとの積極的に業務提携を結ぶ。今年1月には東北税理士協同組合、4月には滋賀県税理士協同組合と業務提携を結んだ。またM&Aセミナーを定期的に開催し、2020年8月期は25回開催していく予定だ。
 代表取締役社長の荒井邦彦氏はM&A件数について「市場としては後継者不在に悩む企業の事業承継型のM&A需要が伸びています。2019年8月期採用のコンサルタントの収益貢献も期待でき、成約件数143組、経常利益22億3700万円を必達していきたい」と話した。2019年8月期の新規受託件数は達成に向けた土台となっていきそうだ。
 国内M&A市場における成約件数トップを狙っていくことになる。

不動産業界など対象、企業価値を無料算定
M&Aセミナー開催 全国5カ所で
 ストライクは11月、全国5カ所でM&Aセミナーを開く。後継者不足による廃業が相次ぐ中、事業承継を目指す住宅・不動産業界をはじめとした中小企業の経営者を対象にM&Aの具体的な進め方などを開設する。参加は無料。荒井邦彦社長が専門家の観点からM&Aの最新の動きを講演するほか、同社の渋谷大・執行役員兼業務支援部長が「企業価値からみる最高の売り時」にあついて説明する。「自分の会社の価値を知りたい」という企業経営者は、無料で企業価値を算定する。
 11月6日の東京(東京国際フォーラム)を皮切りに、7日は大阪(ホテルグランヴィア大阪)、12日の札幌(札幌グランドホテル)、14日の名古屋(JPタワー名古屋ホール&カンファレンス)、15日の福岡(JR博多シティ会議し)で開く。開催時間は各回ともに13時半~16時で受付は13時から。来場者全員にストライク監修のM&A関連の書籍をプレゼントするほか、無料でM&A関連の相談サービスも実施する。

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