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森ビル 地上100メートルブドウ実った屋上庭園

2019.09.02 15:36

 森ビル(東京都港区)が管理運営する地上25階建ての「赤坂溜池タワー」の屋上庭園で、先月26日、毎年恒例のブドウ収穫作業が行われた。都市緑化に力を入れている同社では、複数の所有ビルの屋上に、庭園を設けている。「六本木ヒルズ」内、地上約45mに位置する「けやき坂コンプレックス」の屋上では、田んぼの稲刈り体験や菜園での野菜作り、「アークヒルズ」のルーフガーデンでは色とりどりに彩られた草花の中でのコンサート開催など、広く緑に親しむイベントも数多い。  今回ブドウの収穫が行われた「赤坂溜池タワー」には、面積約1340㎡の屋上の四隅を利用した庭園があり、実のなる樹木や季節の花々やハーブなど数多くの植物が植えられている。地上約100mの屋上花壇では土の量が限られ、直射日光に弱いブドウは水分が奪われやすく、今年も酷暑による劣化が懸念された。対策として「摘果(てきか=房などの数を減らし栄養を行き渡らせること)」を施した。また、昨年同様に、通常は難しい無農薬のブドウを収穫することができた。  広報部の滝川未梨氏は、「昨年は2本合わせて130房ほどでしたが、今年は早い時期に摘果を行ったため、粒も大きく充実した房が作れました。昨年収穫量が少なかった1本の巨峰も今年は増え、150房ほどが実りました。ランチタイムなどに皆様に楽しんで鑑賞して頂ければ嬉しいです」と語る。ブドウの葉が上空に設置されたブドウ棚は気持ちの良い日陰を作り、憩いの場となっている。  庭園の管理を受託している「風のみどり塾」(東京都港区)の専属ガーデナー・加藤沙和氏は、「屋上には数種類のブドウを植えています。収穫をした巨峰は、過酷な環境下でも果実が実る強い品種です。長雨の影響も受けましたが、美味しくできました。一昨年新たに植えた『シャインマスカット』は、今年はまだ実が小さく、来年には大きく実ることを期待しています」と語る。  2000年9月の竣工以来の年月を重ね、育まれてきた屋上庭園は、今後も四季折々の多様な植物で彩られ、オフィスワーカーや居住者の憩いの場となるだろう。

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