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<社長に聞く!新サービスのポイント>ユースラッシュ 「JUST FIT OFFICE」好調

2019.05.27 12:16

手間の多いシェアオフィス探しを効率化
 ユースラッシュ(東京都目黒区)は4月15日、「JUST FIT OFFICE」をオープンした。2018年4月に設立した同社はマーケティングやプラットフォーム構築を得意としていて、今回同社初のサービスリリースとなった。
 「JUST FIT OFFICE」はスタートアップやベンチャー企業とシェアオフィスを結ぶマッチングプラットフォームだ。シェアオフィスの個室からフリーデスクまでをカバーしていて、ユーザー側は社員数を1人~15人まで選択して検索することができる。加えて、それぞれの働き方に合わせた場所を選べるようにいくつかのポイントごとで比較検討することも可能だ。シェアオフィス運営者は無料で情報を掲載することができる。料金は掲載して入居が決まった際に発生する成果報酬のみだ。
 不動産業界では新しい貸し方として「シェアオフィス」は代表例のひとつとなっている。起業したばかりのスタートアップやベンチャー企業にとってもそのようなオフィスへの需要は高い。一方で「実際に入居するシェアオフィスを探すとなると手間がかかる」と話すのは代表取締役の内山裕規氏だ。自身も昨年末、オフィス探しに奔走した。
 「まずシェアオフィス物件は横断的な検索サイトが少ないということが挙げられます。一般の賃貸オフィスと比べると賃料も格安のため、取り扱う仲介会社も少ないのが現状です。結局、私も自社に合ったオフィスを見つけるために、複数の施設を内覧することになりました」
 シェアオフィス側にとっても、このような状況はデメリットだ。中小のシェアオフィスへのニーズも高いが、従来は自社サイトでの募集以外に手立てがなかった。そのために施設サービスなどは優れているものの、インターネットの大量の情報に埋もれてしまうことも多く入居者募集で苦戦することも少なくなかった。「JUST FIT OFFICE」はベンチャー側にとってシェアオフィス探しがスムーズにできる場所となり、シェアオフィス運営者側にとって露出を高められる場所となりそうだ。
 内山氏は今後の展開について「まず8月に正式版をリリースし掲載エリアを広めていきたいと考えています」と話す。首都圏や地方大都市圏に拡大していき、最終的に年内を目標に全国をカバーしていきたいとしている。
 加えて付随するサービスの開発にも取り組む。「『JUST FIT OFFICE』ではシェアオフィスの情報だけでなく、一般賃貸オフィスの情報も加えていきたいと考えています」(内山氏)。あくまでも社員15名以下のスタートアップ・ベンチャーが軸となるが「選択肢を増やすことで納得できるオフィス選びのプラットフォームに成長させていきたい」と意欲を示す。またシェアオフィス運営者側への運営支援サービス展開も考えている。契約管理やマーケティング分析、入居者支援サービスなどをサポートするシステムの構築を検討している。  「これらのサービスを展開していくのは次のフェーズとなり、現在は施設の掲載数を増やしていきたいと考えています」(内山氏)
 サービスリリースから1カ月で約60施設が掲載されている。シェアオフィスと入居者を結ぶ新たな経路になれば不動産業界にとってもメリットは大きい。

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