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LIXIL 災害配慮「レジリエンストイレ」発売

2019.03.11 17:20

 LIXIL(東京都千代田区)は、平常時も災害時も、いつもと同じ場所・同じ使い方で、子供から高齢者まで誰でも使えるINAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」開発、4月1日より全国で発売する。
 平成の30年間、日本はいくつもの自然災害に見舞われ、避難所での生活を余儀なくされる人も多くいた。避難所生活における断水下では、トイレが喫緊の問題となり、普段通り水洗トイレが使用できない環境が、衛生面での問題はもちろん、被災者の精神的な負担や健康障害に繋がることも大きな課題となっている。
 政府が推進する「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)」のもと、避難所におけるトイレの確保・管理について、自治体も様々な災害用トイレを事前準備するなど、災害への備えを進めているが、現状は、通常の水洗トイレと災害用トイレを使い分ける形で考えられており、設置の問題や衛生面の確保など、避難者・自治体いずれの視点においてもまだ多くの課題を抱えている。
 同社はトイレメーカーとして、この災害時のトイレ問題の解決に向けて取り組んでおり、今回、「いつもと同じみんなのトイレ」をコンセプトに、災害時の避難所においても水洗利用できる、快適で使いやすいINAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」を開発した。
 同製品の最大の特長は、災害での断水時でも、いつものトイレをそのまま快適に使用できる点。一般的なトイレと異なり、「強制開閉弁」を採用することで、平常時は5L、災害時は1Lの水で洗浄可能な状態に切り替えられる。
 災害時、少ない水でトイレが洗浄できるようになることは、衛生的であることはもちろん、トイレ洗浄用の水の確保も比較的簡単になり被災者の負担を減らすことにもつながる。また、平常時と同じ使い方ができることにより、高齢者や、障がいのある人、子どもや女性など誰でも安心して利用できるトイレ環境を提供することが可能となる。
 同社では、INAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」の普及を通じて、災害時のトイレの課題や総合的な備えの啓蒙をすすめ、災害時の健康被害や災害関連死が少しでもなくなる世界をつくることに貢献するとしている。

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