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「DMZ WORK」がオープン 築地市場跡地に成長ベンチャーの受け皿を熱望

2019.03.04 17:38

 五反田バレーに続くか。「築地バレー構想」の第2弾としてクリエイター向けシェアオフィス「DMZ WORK」が1日、オープンした。既に問い合わせも多く「満室は時間の問題」ともいう。その全貌と「築地バレー構想」の今後に迫った。

 映像制作業界向けのクラウドサービスを提供するねこじゃらし(東京都中央区)は、「集中と交流」、「機密性」、「光と音」というクリエイターが求める3つの要望を兼ね備えた、完全会員制のクリエイター向けシェアオフィス「DMZ WORK」を、今月1日に東京・築地にオープンした。それに先立って先月26日にはメディア先行内覧会も実施した。
 同社代表取締役の川村ミサキ氏は「これまでクリエイターのニーズに応えたコワーキングスペース、シェアオフィスは少なかった」と指摘する。クリエイターが抱えるニーズとしてあがるのが作業に集中できる静穏さや、調光可能な設備の確保など。加えて、静穏さと相反するようだが「他のメンバーとのコミュニケーションをとりたいという要望も多い」と指摘する。
 今回の「DMZ WORK」ではこれらのニーズに応える設計となっている。施設は全室個室となっていて完全会員制だ。専有面積258㎡のフロアに約4㎡~22㎡の個室が12部屋が並ぶ。想定席数は38席で、全室全席に有線LANとWi-Fiを完備。5名用と6名用の会議室2部屋も設けた。フロア中央はフリーアドレスの共有スペースとし、6席分のデスクとソファ席を備える。
 共有スペースの周囲に配置された4部屋はガレージなどに採用される跳ね上げ式のトビラを採用。集中したいときには閉めて作業することが可能で、開ければ共有スペースにいる会員たちと交流を楽しむこともできる。
 また全室調光・調色ができる照明を採用し、真っ暗から自然光に近い明るさまで好みの明るさで制作作業ができる。また各部屋などにサウンドマスキングを設置している。
 「このほかに会員特典として、月1回の入居者同士や外部との交流イベントとして『寿司フリーナイト』を開催していく予定です。また『DMZ WORK』と同じビルの6階にある『DMZ CAFE』でも交流を楽しめたり、セミナーなどを開催することが可能です」(川村氏)
 同社では「DMZ WORK」開設で「築地バレー構想」の推進にアクセルを踏んでいく構えだ。「現在、築地エリアには多くのITベンチャー企業がオフィスを構えています。また食と文化の街としても歴史があることは魅力的。今後はこれらの関係者たちとの協力の輪を広げていくとともに、築地市場跡地も成長したベンチャー企業の受け皿となるような施設をつくれないか、行政に働きかけていきたい」
 渋谷のビットバレー、五反田バレーとIT企業が集積する場所は「聖地」となっていった。「築地バレー」もそれに続きたいところだ。

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