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ロードスター クラウドファンディング事業伸ばす

2018.11.12 15:09

前年度第3四半期比で売上3倍超

 クラウドファンディング「ownersbooks」を展開するロードスターキャピタル(東京都中央区)は7日に2019年度3月期第3四半期決算説明会を開催した。
 同社は第3四半期までの連結売上高は78億1400万円となり通期予想105億8500万円に対し進捗は74%となった。一方連結経常利益は19億8300万円で通期予想20億8900万円で、進捗率は95%。岩野達志社長も「上振れした」とする。通期予想は据え置いたものの上回る見込みが出てきている。
 同社の事業構造は自社投資のコーポレートファンディング事業とクラウドファンディング事業が柱。良好なマーケット環境からコーポレートファンディング事業は堅調だった。
 一方、クラウドファンディング事業は大きな伸びを見せている。売上高は前年度第3四半期に比べ356%上昇の1億5500万円。投資家会員数、累積投資金額も引き続き伸びを見せた。昨年の東証マザーズ上場後、同社や不動産投資型クラウドファンディング認知度が増したのを受けた形だ。
 業界内ではコーポレートガバナンスの未整備が影響しいくつかの問題も発覚、対応に追われる場面もあった。岩野氏は「事業の成長スピードも大切だが、コーポレートファイナンスという土台をしっかりとした上で、クラウドファンディング事業の成長につなげていきたい」と話した。  第3四半期、トピックとなったのは8月発表のエクイティ型第1号案件の発表だった。
 秋葉原オフィスビルに対し、募集総額2億6500万円、想定IRR7%、想定運用期間2年11カ月。この案件は募集開始から3分で満額募集完了となった。
 このエクイティ型はどういうものか。
 同社による説明では「当社の投資基準を満たした案件に個人投資家も物件ごとに判断して投資可能で、個人も不動産投資会社と実質的に同様のリスク・リターンを享受し、不動産投資商品の多様化による投資機会の拡大」といった3つの特長を持っているという。
 「3分」という募集時間は高い注目度の現れだが、裏返せば需要に応えきれてないとも言える。岩野氏は「貸付型においても投資家会員が増えるなかで数分で募集を終える案件も増えている。より案件を増やしていくことで投資機会を提供していきたい」として、今後の課題であることを明かした。
 また今後は海外案件の検討も進めていく。時期の発表はなかったものの、国外不動産への投資機会にも乗り出していく。
 また同社は10月29日にオフィスを移転。内覧会も開催された。
 今回、「ゼニア銀座ビル」から「銀座ファーストビル」へ移転。岩野氏は「会社の成長スピードに合わせて人員も増強してきましたが、従前のビルでは手狭になっていました。築浅で非常に気に入っていましたが、フロア増床もかなわずに、今回の移転となりました」という。
 ロードスター(Loadstar)は日本語で「北極星」の意。そのイメージを表現するため、新オフィスでは星の表現を組み込むなど、内装も凝らした。
 「銀座で200坪以上のオフィスは少ないが、新オフィスはまさしく200坪以上。これから成長しても十分に持ちこたえていくことが可能でしょう」(岩野氏)
 更なる成長に向けての環境は整ったようだ。

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