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レンタルスペース業界動向 Rebase 大塚家具と提携

2018.11.05 16:29

「マーケットプレイス構想」始動
レンタルスペース開設支援を強化

裾野拡大に向けて家具やサービス揃える

レンタルスペースへの開設需要が増している。空室や空き家などの収益化対策として、足もとでは取り組みやすい。その流れを強化するべくRebaseは「マーケットプレイス」を開始した。

 レンタルスペース予約サービス「インスタベース」を展開するRebase(東京都渋谷区)は先月16日、大塚家具(東京都江東区)との提携を発表。併せて同社の進める「マーケットプレイス構想」も本格始動となった。
 レンタルスペースの認知度は徐々に広がっている。なかでも、何らかの形で空室となってしまった物件や部屋を「レンタルスペースとして収益化することはできないか」と考えるオーナーは多くなっている。Rebaseにも同様の問い合わせが多く来ているという。
 一方、代表取締役CEOの佐藤海氏はレンタルスペースの数について「全体で考えても、市場規模としてまだ小さいのでは」と話す。オーナーにとってひとつの壁となっているのが「実際にどのように運営していくべきか、家具や什器、サービスはどのように導入すればいいのかが、わからない」ことだ。
 「確かに100室や1000室など持っている事業者に登録いただければ当社サービスでの掲載件数を手早く増やせるかもしれません。しかし、全体の数を増やしレンタルスペース業界を活性化していくには個々のオーナーに動いていただき、裾野を広げていくことが必要だと考えています」(佐藤氏)  今回、開始した「マーケットプレイス」は「インスタベース」上でスペース掲載者として登録していればだれもが利用することができる。サイト上で必要事項さえ入力すれば、登録は完了する。「マーケットプレイス」上では現在、家具とスマートロックが販売されている。佐藤氏は「より多くの製品やwi―fi、あるいは食事宅配や清掃などのサービスも『マーケットプレイス』を開けば解決できるようなプラットフォームに仕上げていきたい」と語る。
高い技術力やノウハウを評価 「リワース」商品にも期待
 今回「マーケットプレイス」始動の号砲を鳴らすことになった大塚家具。家具量販店のなかでもひときわ「高級感」が強い。
 佐藤氏にパートナーとした経緯を聞くと「2つ理由があります」といい、次のように答えてくれた。  「実は当社が創業まもない頃、大塚家具の方とお会いする機会がありました。その際には具体的な取り組みは実現しなかったのですが、以来、同社とは関係を保ってきました。そのことが今回の『マーケットプレイス』のトップランナーになっていただいた第一の理由です。もうひとつは大塚家具は『高級』なイメージがありますが、実は大塚久美子社長就任以後、高級路線とは別に品質を維持しながら手の届きやすい価格帯の製品も提供されるようになりました。また同社が長年培ってきた技術力や目利きは確かです。レンタルスペースの家具は不特定多数の人が利用する関係で、つくりが粗いと破損してしまうこともしばしばあります。大塚家具の提供する家具はその点で私たちの『マーケットプレイス』に相応しいものだと考えています」(佐藤氏)
 また大塚家具では現在、「RE―WORTH(リワース)」を展開する。リユース家具に正しくリペアを施すことで、古い時代のものではなくとも「アンティーク家具」や「ヴィンテージ家具」と同様に価値を取り戻したり、新たな価値を加えたりする、リサイクルとは異なる考え方の家具だ。
 一点ものとなるが高級家具。新品と何ら遜色ないリワース商品が、新品定価と比較し手頃な価格で販売されている。今後、「マーケットプレイス」でも出品されるか、期待がかかる。
年内に10社目標も厳選 利用者も巻き込む場を目指す
 佐藤氏は「マーケットプレイス」について「年内に10社ほどのパートナーを揃えていきたい」とする。しかしながら、ECサイトを構築したいわけではなく、出品社を多くしていくことが目的ではない。「レンタルスペースを開業、運営していくために欠かせない事業者を揃えていくことが目的で、当社としても厳選していきたい」と強調する。
 今後の展開については「レンタルスペースに実際に設置してある家具や製品を使用した利用者が、気に入れば購入できるような体制も整備できれば」と話す。
 スペースオーナーとメーカー・量販店、そして利用者をもつないでいこうとしている「マーケットプレイス」。今後の展開に注目していきたい。

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