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海外不動産市場に本格参入

2018.09.03 17:31

 TATERU(東京都渋谷区)は、運営する不動産ポータルサイト「TATERU Buy―Sell」において、海外不動産取引プラットフォームを展開するProperty Access社(東京都千代田区)と連携すると発表した。この3社連携により、日本の不動産投資家が海外の不動産を購入しやすくなり、不動産投資業界は新たな時代を迎える。

 8月29日行われた事業戦略説明会では、TATERUの常務取締役CTO松園勝喜氏、Property AccessのCEO創業者である代表取締役社長の風戸裕樹氏、同社ヘッドオブテクノロジー&データサイエンス加藤祐己氏、プロパティエージェントの取締役CFO岩瀬晃二氏が出席し各々の事業および本連携への意気込みを語った。
 TATERUの不動産販売ポータルサイト「TATERU BuyーSell」はビッグデータを活用し、物件情報だけでなく、物件に紐付く住環境の情報、例えば周辺施設、災害情報や公示価格を付加価値として提供しており住宅ローンの計算も可能。松園氏は「今回の提携の中心になるサイトで、海外と日本をつなぐ窓口にしたい」と語った。
 Property Accessの風戸氏は「日本の不動産業には大きな課題があると思う。世界の不動産情報が日本に全然入ってこない。国内市場が非常に大きく、利益を上げられるので人材が内向きになっていき、海外取引に慎重になっている。情報量と透明性を他国と同等に持っていきたい」という。また同社加藤氏は、「東南アジアの不動産情報データベースを整理し、日本内外の投資家がアクセスできる形にしていきたい。今回、APIの連携をしながら、海外の法律や税制についても例えば実際に購入する場合にどういったコストがかかるかという情報も提供していきたい」と語った。
 TATERUでは東南アジアの不動産情報を集めており、現在6000棟のコンドミニアム情報を保有している。
 「3社ともに日本の不動産テクノロジーを活用した企業であり、不動産テックを活用し世界の不動産取引をリードするストラテジックな資本提携をしました。『TATERU Buy―Sell』の情報を海外の投資家向けにし、Property Accessのプラットフォームで掲載。逆に我々の海外不動産の情報を『TATERU Buy―Sell』に掲載します。プロパティエージェントのAIとビッグデータを用いた全国の30万棟のマンションデータが入っている『ふじたろう』のプラットフォームから日本の物件の提供を検討します。海外の不動産情報をクラウドファンディングに入れた商品開発や、東南アジアにおける投資テクノロジーを3社で一緒になってオンラインで提供し、開発をしていきたい」(風戸氏)

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