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不動産競売流通協会 「FKRカンファレンス2017」開催 「競売不動産流通取扱主任者」受験者数過去最高 来夏には任意売却部門の資格も創設予定

2017.12.18 17:31

「競売不動産流通取扱主任者」受験者数過去最高
来夏には任意売却部門の資格も創設予定
 競売や任意売却など不動産業界のなかでも一定の需要がある。その専門家資格として「競売不動産流通取扱主任者」を実施する不動産競売流通協会が今年のカンファレンスを開催。今年の事業報告とともに、来年の新事業を打ち出した。

 不動産競売流通協会(東京都港区)は13日、「FKRカンファレンス2017」を開催した。
 来年で設立10年目を迎える。2011年から始めた「競売不動産流通取扱主任者」は今年、受験者数が2201名を記録。代表理事の青山一広氏によると「士業や金融機関関係者が3割を超えた」とのこと。競売の専門家であることを示す資格として認知度の広まりを見せている。加えて、日本不動産仲裁機構(東京都中央区)よりADR(裁判外不動産解決手続)調停人起訴資格として認定を受けた。
 ただ現状、競売物件は減少傾向にある。青山氏によると「リーマンショック時に9万件超までふくれあがった競売物件は、昨年2万9000件余りまで減少。今年に関しては結果も昨年を下回ることは確実」と指摘する。ただ、今後の見通しに関しては「金融庁が発表している統計を見ると、住宅ローンの条件変更数が41万件超と毎年5万件程度増加している傾向にあります。これらの債務超過物件が競売に流れてくる可能性は否定できない」と話す。時の経済情勢に左右されるものの、競売の専門家の存在意義は高い。
 一方、不動産競売流通協会では早ければ来夏にも任意売却部門の設立を目指すという。この部門では任意売却の専門家を養成する講座を提供することになる。青山氏は「『競売不動産流通取扱主任者』と同様、信頼される専門家の証になるようにしていきたい」と話した。
 カンファレンスではその後、作家の猪瀬直樹氏が講演。第二部では猪瀬氏も交えた懇親会が開催され、出席者同士の歓談やプチサイン会も開かれた。

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