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LINK-J 日本橋「ライフサイエンス」集積地へ

2017.09.04 16:20

三井不動産イノベーション拠点を拡充
 三井不動産(東京都中央区)とアカデミア有志が中心となって昨年3月に一般社団法人のライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(東京都中央区、以下LINK―J)を設立して約1年5カ月が経過した。日本橋エリアを拠点に産官学連携によるライフサイエンス領域での新産業創造を支援する活動を継続的に行ってきたが、更なる取り組みに向けて動きを深めている。

◎ 先月29日、LINK―Jおよびライフサイエンス業界の現状と今後の
 先月29日、LINK―Jおよびライフサイエンス業界の現状と今後の展望について記者説明会が開催された。昨年3月の設立から現在までの活動内容や成果に加えて、日本橋エリアにおいて今後どのような取り組みに注力していくのか。冒頭、LINK―Jの理事を務める、三井不動産の植田俊常務執行役員は「ライフサイエンス領域でイノベーションを創造するためのエコシステムを日本橋に構築したいという想いでLINK―Jは誕生した。その目標に向かって一歩一歩確実に着実に進んでいるのではないかと実感している」と述べたように、日本橋エリアは着実にライフサイエンスの集積地として機能し始めているようだ。
 これまでの取り組みとして三井不動産は当該エリアに3つの拠点を整備した。「室町ちばぎん三井ビルディング(COREDO室町3)」8階に交流・連携拠点となるカンファレンス「ライフサイエンスハブ」を開設。加えて「日本橋ライフサイエンスビル」と「日本橋ライフサイエンスビル2」の2拠点を整備し、関連拠点と合わせて40社強の企業・団体が集結している。会員数も8月28日現在で150に達し、大企業21社、ベンチャー企業・非営利団体87社、個人42名とその顔ぶれも多彩だ。また多種多様なイベントやプログラムも積極的に開催しており、イベントは1年間で369実施。大手企業との間で買収契約を結んだベンチャーを輩出する等、一定の成果を出している。
 一方、今後の方向性として「既存事業強化」と「新たな方向性模索」を掲げる。「既存事業強化」では前述した3拠点を拡張する。具体的には「日本橋ライフサイエンスビルディング2」の5、6階に加え、7、9階を拡張する他、新たなライフサイエンスビルも展開する。イベント・プログラムも拡充し、より多様なテーマを取り上げる。また「新たな方向性模索」としてアカデミアとの連携強化を目指し、多忙な研究者向けに大学キャンパスに出向いて議論・アドバイスを行う「出張Out of Box相談室」を強化し、さらに日本橋での発表・デビュー・交流の機会を提供することも視野に入れている。その他、ウェブコミュニティの構築、国内外のバイオクラスターとの協業によりグローバルハブを目指すという。
 また、記者説明会では日本ベンチャーキャピタル協会副会長で、三菱UFJキャピタル(東京都中央区)の半田宗樹代表取締役社長も登壇し、2015年度の分野別/VC別投資金額割合について全体の19%がライフサイエンス分野に集まっていると解説。2016年度では27%まで伸長しているといい、今後の成長が見込まれる分野だと指摘する。オフィス床需要を牽引する「有望株」と考えられ、ビル業界からの注目が高まりそうだ。


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