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デベロッパー、リノベ事業に本腰 

2017.08.28 17:32

野村不動産、三井不動産、三菱地所がワンストップサービス提供
 大手デベロッパーがグループの力を結集し、リノベーション事業へ参入している。三井不動産(東京都中央区)、三菱地所(東京都千代田区)に続き、野村不動産(東京都新宿区)グループが22日にリノベーション事業「bespo(ビスポ)」を開始し、ポータルサイトも開設した。少子高齢化時代を迎え、既存ストックの有効活用に目を向け始めた。

 野村不動産(東京都新宿区)、野村不動産アーバンネット(東京都新宿区)、野村不動産リフォーム(東京都新宿区)は22日、リノベーション事業「bespo(ビスポ)」を開始すると発表した。ライフスタイルや家族構成、趣味趣向にあわせた住まいづくりを提案。「自宅をリノベーション」、「中古を買ってリノベーション」、「リノベーション済み物件を探す」という3つの機会をグループの総合力を生かして提供する。野村不動産がリノベーション物件の企画・販売を担当。野村不動産アーバンネットは中古物件の紹介、野村不動産リフォームはリノベーションのデザイン・企画提案・施工を担当する。まず、顧客の要望をヒアリングし、リフォームプランナーが最適なプランを提案する。ゼロから自由設計を行う他、ライフシーンのアイディアやインテリアのスタイル等、豊富なメニューを用意し、希望の住まいづくりを実現する。マンションのスケルトンリノベーションは定額制を基軸とする。
 同社は「昨年度は新築市場の需給バランスに大きな変化が見られ、不動産マーケットにおいては2017年度首都圏において、中古マンション成約件数(東日本不動産流通機構調べ)が新築マンション供給戸数(不動産経済研究所調べ)を上回りました。生活者の住宅取得ニーズに応えるための新たな選択肢として、新築住宅から中古住宅へ循環型住宅市場への転換の流れは現在の国策を鑑みても不可避であると認識しています。総合デベロッパーとして、増加する既分譲ストックを活用しながら優良な中古・リノベーション住宅を提供することで、中古市場および住宅市場におけるリノベーションの地位を高めると共に、品質と安心を核とした新たな価値を創造するリノベーション事業を始動する」という。
業界の2強 グループ一眼で取り組む
 大手デベロッパーがリノベーション事業へ本腰を入れ始める。三菱地所は今年4月24日に、三菱地所レジデンス(東京都千代田区)が2014年5月より開始した「Reビル事業(既存ストックリノベーション賃貸事業)の事業領域を拡大し、三菱地所、三菱地所設計(東京都千代田区)も専門部署を設立。グループ全体でリノベーション事業を強化する方針を定めた。また、三井不動産は昨年8月末に青木茂建築工房(東京都渋谷区)と業務提携し、旧耐震基準建物等の老朽化不動産の再生コンサルティングサービスに参入している。いずれも築年が経過し、競争力低下によって事業継続が困難な賃貸不動産の価値を蘇らせる取り組みだ。

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