週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

緑演舎 商業施設やエントランスに最適 新機軸の室内緑化システム

2017.02.20 17:08

 「PIANTA×STANZA」(以下、ピアンタスタンツァ)は、緑演舎(東京都江戸川区)の取締役COO大山雄也氏が以前勤務していた東邦レオ(大阪市中央区)の社内ベンチャーとして立ち上げられた。独立後、作年11月に東邦レオから同ブランドの事業譲渡を受ける。
 「ピアンタスタンツァ」の展開する室内緑化システム「ピクセルインドア」は、灌水式(点滴式灌水ホースかスプリンクラー)と貯水式の2種類があり、商業施設やオフィスビルのエントランスに採用されている。壁から天井まで全面に設置できる貯水トレイには、顧客のニーズに合わせた耐陽性のある観葉植物約30種類から選別され壁面高度3mまで設計ができる。わずか2~5日の短期間で施工が行われ、導入当初から緑が茂る空間が表現できる。
 大山氏は「屋上緑化に限らず『緑化はすでに当たり前のもの』だと思っています。今は、緑化というよりもグリーンデザインという認識です。植物を使ってどういった演出を施すか、空間を創り出すかという事を考えるべきだと思います。商品としての新鮮さ、価値として1番頂点にある状態の物を提供するのが、私たちの仕事です」と語る。
 平成25年に「渋谷ヒカリエ」でも採用された同システムは、貯水タンクを使わない壁面緑化システムとなっている。壁に固定された貯水トレイに植物を植えた15cm角のポットを並べて緑化するもの。壁面の掛る重量は70kg/㎡、狭小で限られたところにも大掛かりな設備やスペースを取らずに導入できる点が特長。メンテナンスは貯水トレイの容量(約2週間)に合わせて専門スタッフにより行われる。設置される施設環境により管理仕様が全く異なる。本来、自然環境の中にある植物を室内に設置するには予想以上の手間と技術やノウハウが必要となる。室内環境によっては1カ月以内で7~10%の植物が枯れてしまうことも少なくない。設計の段階から照明の分布や室内環境の湿度や乾燥具合の把握など専門性が求められる。
 大山氏は庭にとらわれず、室内の壁面・天井・吹き抜けなど、どこにでも構わず作れるものという発想で室内緑化に取り組んでいる。環境配慮や貢献を超え、生活や働く場所で人に求められるものを追及する。

PAGE TOPへ