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ダイバージェント 民泊に新機軸 日本人に利用を限定した民泊プラットフォーム

2017.02.20 17:09

「TripBiz」展開へ
 合法化が目前となり、不動産活用のメニューとして注目を浴びている民泊。一方で「不特定多数の外国人が使用することで不動産価値の下落につながるのでは」と懸念を示すオーナーも多い。他方、ホテル不足を直撃しているのは出張を重ねる日本人ビジネスマンも同様。そこに着目したのがダイバージェント(東京都品川区)だ。
 同社は先月31日に日本人ビジネスマン向けに宿泊施設を提供するプラットフォーム「TripBiz」を発表。3月中のサービススタートを目指している。これまでのプラットフォームは外国人観光客を主な対象としていたが、日系企業のビジネスマンに特化したプラットフォームは国内初だ。
 小林氏によれば、サービス開始のきっかけのひとつについて次のように話す。
 「ひとつは国内のビジネスマンも現在のホテル不足に悩まされていることがあります。当社でも社員が出張する機会が多くありますが、数年前に比べてホテルの予約は非常に取りづらく、加えてホテルの宿泊料金も高騰していることを実感しています。ビジネスマンにとって宿泊施設に必要な設備はWi―FiとコピーやFAXができる複合機です。これらが備わっていれば、ホテルにこだわる必要はなく、民泊でも宿泊施設として十分に利用可能です」
 国内のビジネスマンを対象にすることで不動産オーナーにとってもこれまで以上に貸しやすくなる。「TripBiz」では国内の法人が会員登録して出張社員の情報を登録する。そのため宿泊予約申込み時から会社情報や宿泊者の身元も明らかとなるため、オーナーにとっても貸しやすい。実際に宿泊する社員も、騒いだり家財を破損したりすれば会社に苦情が届きリスクとなるため、節度を持った使用を期待することができる。
 「ホテル価格が高騰し、会社側にとっても大きな負担を感じていることは確かです。一方で不動産業界でも空室や空き家などが顕在化するなかで、どのように活用していくかという課題があります。文化やマナーを共有している日本人ビジネスマン向けに貸し出すことができれば、オーナーの皆さんも民泊という新たな不動産活用に一歩踏み出しやすくなるのではないでしょうか」(小林氏)
 これまで業界内では着目されてこなかった日本人ビジネスマンという宿泊ニーズ。出張需要は安定しているだけに、「TripBiz」は民泊の新たな可能性を開くかもしれない。

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