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大成建設 中規模ビルでもZEB化進む

2016.08.08 13:39

事務所・店舗ビルで一次エネルギー消費量50%以上削減
 大成建設(東京都新宿区)は先月28日、「大成札幌ビル」のZEB化に向けたリニューアルを完成させ、平成27年12月に経済産業省より公表されたZEB新定義による一次エネルギー消費量を50%以上削減した「ZEB Ready」を実現した。 
 これまで大成建設では地球温暖化防止は建設会社の責務と捉え、一昨年、同社技術センターZEB実証棟において「国内初の都市型ZEBR」を実現するとともに、その実績データやノウハウの活用により、ZEB化のための計画・評価ツール「T―ZEBシミュレーター」を開発し、ZEBの普及に努めてきた。運用を開始する「大成札幌ビル」はZEB実証棟等の実績を生かして「市場性のあるZEBの普及」を具体化したリニューアル建築物件第1号と位置付けている。
 今回のリニューアルでは、通常業務を継続しながら工事を進め、ZEB化に向けた各種新技術を多数導入しているのが特長だ。代表的なものでは同社オリジナルのLED照明として、天井面に設置された新開発の高効率LED照明および照明器具下部面に光を拡散するプリントルーバーを採用。LED特有の直進的な光を和らげ、眩しさを抑えながら「明るさ感」のある光環境を提供する。加えて、タスク&アンビエント照明として各デスクにタスクライトを設置。天井照明の照度300ルクスに加え、タスクライトの照度400ルクスをあわせて机上面で執務に必要な照度700ルクスを確保しながら照明エネルギーを削減できる。
 また、人の在・不在等を検知するT―Zone Saverによって、照明器具を1灯単位で制御する他、省エネ状況等を「見える化」することで在館者の省エネに対する意識向上を促し、更なる省エネ化を支援する。
 今後、同社では、平成30年に「市場性のあるZEBの普及」を目標に、今回採用した照明技術をはじめとした様々なZEB化技術と計画・評価ツール「T―ZEBシミュレーター」を活用して、全国で計画中のZEB化を目指した建物の新築・改修を積極的に推進していくという。


大成札幌ビル・建物概要
建物規模 地上8階地下1階
構  造 RC造、S造
敷地面積 863㎡
延床面積 6970㎡
主要用途 事務所・店舗
竣  工 平成18年

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