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新日鉄興和不動産/大成建設 「ホテルオークラ東京」建替え始動

2016.06.06 10:56

特定目的会社を通じてオフィス賃貸事業を推進
 「ホテルオークラ東京」の建替え工事が動き出した。新日鉄興和不動産(東京都港区)と大成建設(東京都新宿区)は1日、「ホテルオークラ東京本館建替計画」の高層棟オフィス部分(8~25階、延床面積約6万4000㎡)について、ホテルオークラ(東京都港区)等と特別目的会社(SPC)を組成し、同SPCを通じてオフィス賃貸事業を推進していくことを発表した。
 新たに開発されるのはオフィス・ホテル仕様の地上41階地下1階の高層棟とホテル仕様の中層棟。新築工事は1日に着工。平成31年(2019年)春の完成を予定している。SPCは今年3月30日にホテルオークラよりオフィス床相当の土地共有持分の譲渡を受け、建物竣工時にオフィス建物部分の取得するという。新日鉄興和不動産、大成建設はSPCよりオフィスの企画やテナント募集、及び完成後の運営管理業務等オフィス事業全般を受託。開業に向けてオフィスビル開発のノウハウを生かして事業推進するとともに、利用者に評価されるオフィスの実現と、日本を代表するラグジュアリーホテルを核とした複合施設の円滑な運営を目指し、全力を尽くすとしている。
 オフィスの基準階面積は約2300㎡、天井高2850mmの整形フロアとして、レイアウトの自由度が高く多様なニーズに対応できる最先端のスペックを整備する。ホテルとの一体開発という利点を生かして、オフィスワーカーをサポートするホテルサービスデスクの設置や、ホテル各施設・サービスの一部優待利用、空港リムジン・提携ハイヤー等の交通アクセス面でもグローバルビジネス拠点に相応しいサービスを実現するという。また、安心・安全面での備えとして、非常用発電機やコージェネレーションシステムによってオフィス専有部へ72時間の電力供給を行う他、施設利用者・近隣避難者の想定人員に対応した7日分の給水を確保。ホテル宴会場やホワイエ等の約5700㎡のスペースを災害時の一時滞在施設として開放し、3日間で約3000人の帰宅困難者を受け入れる。備蓄倉庫は約170㎡分確保し、約3000人分の備蓄物資を提供する。
 開発計画全体の敷地の半分にあたる1ha超を緑地として整備し、隣接街区との連携によって調和の取れた緑地・緑道を大々的に形成され、エリア全体の省CO2・安全性・快適性の向上にも貢献する。

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