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BMS PM会社のオフィス移転プロジェクト

2016.03.21 16:27

 コミュニケーションを誘発するオフィスによって事業拡大を目指す――。 三菱東京UFJ銀行の緊密会社であり、首都圏・関西圏を中心に全国で数多くのオフィスビルを受託管理しているBMS(東京都千代田区)は2月22日、千代田区神田錦町1丁目に位置する「神田橋パークビル」8階へ本社オフィスを移転した。若園隆社長は「社員の士気を高めるための職場環境の改善が最大の目的」と移転理由を説明する。
 以前のオフィス床面積は約160坪。移転条件はワンフロアに集約し、ゆとりのある執務空間を確保するために200坪以上の床、さらに都内各所へ移動しやすいように交通アクセスの至便性を重視した。賃料負担を踏まえて検討した結果、現在のオフィスに行き着いたという。
 新たなオフィスは「シンプル&コミュニケーション」がキーワードだ。執務ゾーンと来客ゾーンを明確に分けているが、回遊性の高い動線を確保。執務ゾーンは社員同士のコミュニケーションが誘発されるようにワンフロアに集約。デスク上には棚等を置かず、収納スペースは周辺の壁に配置したことで、デスクから社員同士の顔が見渡せるようにした。また、複写機を1カ所に集めた作業ゾーン近くに立式の丸テーブルを配置し、作業中でも気軽にコミュニケーションが取れるようにしている。「PM事業、サブリース事業、コンストラクションマネジメント事業が当社の3本柱だが、部門の壁を超えてコミュニケーションを強化したいと従業員からの要望が根強かった。部門間の連携を密にすることで、クライアントの潜在的なニーズに迅速に対応することが狙いでもある」(若園社長)
 一方、来客ゾーンにはエントランスから直接繋がるように応接室や会議室、大会議室を設置した。さらに応接・会議室には明るいガラス壁を採用しており、広がり感及び採光性を強化すると共に、訪問客の存在を感じられるようにしている。また、会議室のドアは天井までのフルハイト仕様とし、体感的により広く感じられる仕掛けが施されているのが特徴だ。既製の内装部材のコーディネイトの工夫により施工コストも圧縮した。
 オフィスの企画は自社で行ったが、その際に女性従業員の意見をより多く取り入れたという。その結果、華美なデザインではなくオフィスに広がりが感じられるようなシンプルな白を基調に、コーポレートカラーでアクセントにした機能的な空間を実現した。
 移転して1カ月程度だが「従業員のモチベーションが高まっている」と若園社長は感じており、移転プロジェクトに満足しているようだ。

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