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JLL 2016年度の不動産市況を予測 アベノミクス失速しても投資機会は継続

2015.12.07 16:48

 JLL主催の記者懇親会が11月30日に帝国ホテルで開催され、代表取締役社長の河西利信氏が「2015年JLLの活動総括と2016年成長戦略」について語った。
 今年の活動については、売買部門による「The Invester」などの不動産紙の発刊、賃貸借部門の賃貸物件検索サイト「Office Finder」の立ち上げ、プロパティマネジメント部門の「丹青モールマネジメント」の株式取得などが発表された。なかでも今年10月に開催した「不動産&ホテル投資フォーラム2015」では、参加人数が約400名と昨年の参加人数を超えている。その事をふまえて河西氏は「国内外の投資家から、日本の不動産に対して強い関心が伺えます」と話した。
 一方、リサーチ事業部長の赤城威志氏は「賞味期限切れに見られているアベノミクスですが、当社はまだまだ勝機があると見ています」と話し、更に「アベノミクスのこれまでの最も顕著で目に見える成果は資産価格の上昇です。実質賃金を含め実体経済への効果は依然として精彩を欠く面があり、換言すれば、長期的な経済成長への道程は険しい状況であると思います。しかし、最終的なインフレターゲットの達成を目指すには、市場へ更なる資金供給を行い、実体経済にその道筋を作り上げるべきであると思います。日本不動産市場の規模、底深さ、そしてその流動性を鑑みると、市場サイクルにおける現在のありどころやアベノミクスが長期的に成功に至るか否かに関係なく、投資機会は将来にわたって存在すると考えられます」と語った。
 来年の戦略は「伝統的な不動産サービス分野の継続強化」、「多様化するニーズに対応する新サービスの強化」、「日系企業向けのアウトソーシングビジネスの強化」、「大阪マーケットの強化」を考えている。今後も同社の事業展開に注目である。

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