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大成建設/サンコーシヤ 部屋単位で落雷被害を防ぐ雷電磁界バリア」の有効性を確認

2015.04.06 12:28

 大成建設(東京都新宿区)とサンコーシヤ(東京都品川区)は、平成26年6月に竣工した「エビススバルビル」で実施工した「部屋単位で落雷被害を防ぐ雷電磁界バリア」の有効性を確認したことを発表した。
 「エビススバルビル」では、工事施工前に「建物内雷電磁界環境シミュレーションシステム」により、落雷時に発生する雷電磁界の状況をシミュレーションした。その結果、重要な電子機器が配置される部屋を雷電磁界等の落雷被害から保護する必要があることが予見できたため、建築主・設計者・施工者で協議の上、「部屋単位で落雷被害を防ぐ雷電磁界バリア」を導入した。
 これまでの雷電磁界バリアは建物全体に施す方式であったが、今回は重要な電気機器を有する部屋のみにバリアを施工した。具体的には、四方、上下面に一般的な建築部材(スラブ鉄筋、デッキプレートや内装下地用軽量鉄骨)を適切な幅で格子状に配置した。こうしてバリアを設置することで、流れる雷電流を分散させ、発生する電磁界を減衰させるとともに、発生した電磁波同士が打ち消される効果を得ることが可能になる。
 雷電磁界バリア導入後、落雷時に発生する雷電磁界を模した人為的な電磁界を対象室外で発生させ、バリア内およびバリア外での電磁界の状況を実測定し、バリア内の減衰量から雷電磁界バリアの有効性が確認できた。また、その減衰量がシミュレーションによる事前想定数値と同等となったことから、「建物内雷電磁界環境シミュレーションシステム」が効果的に機能していることも確認することができた。
 大成建設は、今後もデータセンターやオフィスビルのサーバー室などに、雷保護対策として「部屋単位で落雷被害を防ぐ雷電磁界バリア」を積極的に提案していく。

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