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キヤノンマーケティングジャパン/キヤノンITソリューションズ 「MREAL」の構築を発表

2015.03.23 17:36

建築物のイメージをより正確に
 キヤノンマーケティングジャパン(東京都港区、以下キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(東京都品川区、以下キヤノンITS)は、大林組(東京都港区)向けに建築物の事前検証用のMR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL」を構築したと発表した。
 大林組は国内外の建物や社会インフラ施設などの建設工事や都市開発をはじめとする不動産事業だけではなく、近年はエンジニアリングや再生可能エネルギーによる発電事業も手掛け、技術を核とした事業展開を行っている。平成24年にはバーチャルリアリティ技術の研究を本格的に取り組むチームを編成したが、発注者や関係者で建築物のイメージをより正確に共有するためには、モニターやプロジェクターを用いるだけでは不十分であるという点が課題としてあった。「MREAL」は周囲の風景と建築物の3D―OGを利用者の立ち位置や視線の動きに合わせリアルタイムに映像を合成する。大林組では同システムの導入により、図面やデータではなく3D映像を見ることで、設計やデザインを直感的に確認したり、周囲の建築物と比較したりするなど、建設前に発注者や関係者との間でより正確なイメージの共有が可能となった。平成26年に大林組が手掛けたキヤノンの川崎新事業所の建設でも「MREAL」が活用され、円滑なプロジェクトの推進に大きく貢献した。
 また「MREAL」は発注者の意思決定を迅速化する。例えば、インテリアを検討する際に色や形のバリエーションを「MREAL」を用いて現地で顧客に確認してもらうことで、スムーズに意思決定することが可能となる。
 今後は外観や室内のみならず空調配管や耐震構造など、表からは見えない部分を確認するために「MREAL」の活用が検討されている。また、言葉や図でしか説明できなかった構造的な部分の活用が検討されている。言葉や図でしか説明できなかった構造的な部分も同システムを使用すれば、直感的かつ体感的に理解でき、現実を超えるプレゼンテーションが可能となる。

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