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バリューレイズ ビルの知名度がグングン高まる 募集物件を活用した「アート内覧会」開催

2014.10.13 10:24

 中小ビル専門のコンサルティング企業であるバリューレイズ(東京都港区)は先月25日~27日にかけて、文京区湯島の「CRANE Bldg」でアート内覧会「ヤドカリトーキョー」を開催した。
 同社が手掛けるアート内覧会とは、テナント募集中の空室をギャラリーに見立て、絵画や写真を展示したり、空間全体を作品として昇華させるインスタレーション等を実施。アート作品を見学すると同時に貸室を内覧してもらおうという取り組みだ。同社の管理物件の空室を中心に宿借り(やどかり)形式で転々と開催することから「ヤドカリトーキョー」と命名された。平成24年1月に日本橋にある築50年のオフィスビルで第1回目が開催され、13回目を数える。今回は「点検工/inspector」と題し、「ヤドカリトーキョー」の立ち上げメンバーであり、インスタレーション作家として活躍する町野三佐紀氏、渡辺望氏が何もない空間からリアルタイムに作品を制作していく過程を鑑賞するという斬新な試みに挑戦する。
 「完成した作品を鑑賞するのが一般的な展示会なのですが、今回はアーティストが作品を制作していく過程すべてが作品になります。公開期間は3日間ですが、実は10日前から制作を行っており、インターネットで配信しています。すべて作品の一部として見ていただきたい」(渡辺望氏)
 今回アート内覧会を開催したのは、同ビルのリニューアル後のビルのお披露目を兼ねている。
 昭和46年に竣工した同ビルは必要最小限の管理しかしておらず、空室が2年以上長期化していたが、バリューレイズの提案を受けて「清潔感」を重視したプチリニューアル工事を実施。
 「古ぼけた印象でしたが、外壁とエントランスを白く塗り直し、清潔感を演出しました。2階の募集貸室の床を黒くし、照明も変更しました。既存の設備を生かしつつ、必要最低限のコストで清潔感のある外観・内装に仕上がりました」(ビルオーナー)
 従前までの状態は「とても自信を持って人に貸せるレベルではなかった」(ビルオーナー)といい、生まれ変わったビルを周知する上でもアート内覧会は効果的なPR手法といえそうだ。
 「ビルの認知度を高めることが成約の秘訣とバリューレイズの担当者に聞きました。競合物件が無数に存在する中、何もしなければ埋没するだけ。アート内覧会というユニークな取り組みを企画してもらい、当ビルの認知度向上に繋がると思います」(ビルオーナー)

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