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三井不動産 次世代型都市「柏の葉スマートシティ」が本格始動

2014.07.14 10:43

 三井不動産(東京都中央区)が千葉県柏市で開発を進めてきた「柏の葉スマートシティ」の中核施設「ゲートスクエア」が8日にグランドオープンした。それに先立ち7日には同施設の内覧会及び今後の事業計画について記者会見を行った。
 「柏の葉スマートシティ」計画は同社のフラッグシップ・プロジェクトである「スマートシティ戦略」の核となる一大事業。つくばエクスプレス開業後の平成17年から「柏の葉キャンパス」駅周辺の4つの街区で先行して環境共生・健康長寿・新産業創造といった3つのテーマをもとに街づくりを進めてきた。日本が直面する既存都市における環境・エネルギー問題、高齢化社会、安心・安全性の高いBCP対策など、これらの諸問題を解決する街づくりのモデルケースを目指している。
 「ゲートスクエア」はショップ&オフィス棟(地上7階地下1階・延床面積約3万2206㎡)とホテル&レジデンス棟(地上14階地下1階・延床面積約2万3976㎡)で構成。「環境共生」機能として「柏の葉スマートセンター」を中核とした地域一帯のエネルギー管理・制御・マネジメントシステムや電気自動車や電動バイク、自転車等の共同利用サービスを展開する。「健康長寿」の取り組みは東京大学が監修する無料健康サポート拠点「まちの健康研究所 あ・し・た」をはじめ、さらに疾病予防をテーマにした医療施設や健康サービスを提供する店舗・施設が集積する。「新産業創造」では国際交流を促進するシェア型賃貸住宅「柏の葉インターナショナルビレッジ」や多様な来街ニーズに対応する「三井ガーデンホテル柏の葉」、国内最大級のコワーキングスペース「KOIL」等を開設し、多様な人材交流からイノベーションを誘発する仕組み作りを行っている。
 「ゲートシティ」は「柏の葉スマートシティ」計画の第1ステージにおける集大成であり、第2ステージのスタート地点となる。第2ステージのテーマは街全体でイノベーションが生まれる街を実現する「イノベーションキャンパス構想」。約21万m2に及ぶ広大なエリアにオフィス、商業、住居、研究施設等を配置。職・住・遊・学の機能を融合した複合開発を行い、昼夜を問わず街全体で賑わいや交流が行われる、エリアの昼夜人口のバランスにも配慮した「ミクスユース」型の用途計画に加え「水と緑にあふれたアーバンデザイン」を採用したパブリックスペースまで含めた環境整備を行う予定だ。
 記者会見で菰田正信社長は「すでに国内外から年間300件を超える視察者を受け入れ世界から注目を集めています。『ゲートスクエア』の誕生を契機に情報発信とグローバル展開をより一層加速してまいりたいと考えております」と述べている。

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