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省エネルギーセンター テナント向けエネルギー使用量の推計ツール公開

2014.05.26 11:23

改正省エネ法に対応
平成26年4月1日から施行された改正省エネ法を受けて、平成27年度から定期報告書に電気需要平準化時間帯の報告が新たに必要になる。これに伴う対策として経済産業省の事業でみずほ情報総研(東京都千代田区)からの受託にて、省エネルギーセンター(東京都中央区)はテナントのエネルギー使用量が推計できるツール「TECTT(ティー・エクト)」を新たに開発、4月25日に公開した。開発の経緯は次の通り。
 「定期報告書の提出が義務付けられているテナントは平成27年度から昼と夜に分けて電気使用量を報告しなくてはなりません。工場等は電力会社からデータを入手できますが、ビルに入居しているテナントが実際の使用量を把握するのが難しい。コンセントや照明ならば明細が来るのである程度の数値は把握できますが、最も電気使用量の大きな空調の使用分については分からないケースが多いのが現状です」(原田氏)
 入居テナントに請求する電気使用量については定額制も少なくない。各テナントが時間帯別にエネルギー使用量を把握するのは非常に難しかった。こうした背景から、改正省エネ法に対応した推計ツールが開発されたのである。同ツールを使用するためには、オーナーとテナントがそれぞれ協力する必要がある。基本的には各種データを入力するだけだが、オーナーはビルの階数や各部門の面積、空調・給湯のエネルギー種別を入力し、このデータに加えてテナント(単独で可)が借室面積、用途、在室人数、営業日数/時間・空調時間、コンセント・照明の稼働実績を入力する。2つのデータを集計し、テナント専有部の電気需要平準化時間帯の電気使用量を推計する。導き出した数値はそのまま定期報告書に転用可能だ。
 「エネルギー使用量の管理だけでなく、省エネ対策を施した場合のシミュレーション機能も搭載しており、エネルギー管理についての専門的な知識を持たない方でも簡単に活用できるようにしてあります」(原田氏)

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