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新生銀行/ケネディクス、ほか 「オールジャパン」でヘルスケアリート創設に向けた資産運用会社設立

2014.05.05 17:55

業界主要6社が出資
 国内初のヘルスケアリート創設に向けて大きな一歩を踏み出した。
 ケネディクス(東京都中央区)、長谷工コーポレーション(東京都港区)、三菱UFJ信託銀行(東京都千代田区)、LIXILグループ(東京都千代田区)、損害保険ジャパン(東京都新宿区)、新生銀行(東京都中央区)の6社はヘルスケアリートの運用を目的とした資産運用会社として、ジャパン・シニアリビング・パートナーズを4月18日付けで設立。それに伴い4月28日には記者発表会を開催し、ケネディクスの代表取締役社長を務める宮島大祐氏、ジャパン・シニアリビング・パートナーズの代表取締役社長に就任した、新生銀行ヘルスケアファイナンス部長の藤村隆氏が出席した。
 新たに設立された資産運用会社は前述した6社による共同設立。最大の特徴は株主構成に現れている。
 「資本市場の資金によってヘルスケア業界の成長を支援するという理念のもと、日本を代表する企業6社が集い、いわば『オールジャパン』のメンバーで立ち上げた事が大きな特徴となる」(藤村氏)
 メーンスポンサーはケネディクスで、出資比率は60%。次いで長谷工コーポレーションが出資比率20%、三菱UFJ信託銀行、LIXILグループ、損害保険ジャパン、新生銀行がそれぞれ出資比率5%という構成。
 「ヘルスケア業界が今後成長していくためには、更なる資金が必要になってくるが、介護施設や高齢者住宅のオペレーターは中堅・中小企業が多数を占めている中で、資金調達に苦労しているという現状がある。一方、資本市場に目を向けると、個人マネーや国内外の投資家マネーが集まっている。我々の基本コンセプトとしては成長を欲している、資金を必要としている介護業界に対して資本市場の潤沢な資金を流し込むためのパイプ役がヘルスケアリートの役割だろうと考えている」(藤村氏)
 リートに組み入れる資産は有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅をメーンに、ヘルスケア施設を組み込んだ複合的施設や病院も投資対象として検討していくという。投資対象エリアは高齢者人口が急増するという東京圏、大阪圏、名古屋圏を中心とするが、それ以外に全国の主要都市も対象とする。オペレーターの選定については、業界大手に限らず、ヘルスケア業界で圧倒的に多い中堅・中小企業で、実力はありながらも資金調達等に苦戦しているオペレーターに資金を提供していくことを考えている。今後は監督官庁からの許認可を受けて投資法人を立ち上げ、最終的に東京証券取引所に上場するというプロセスを辿ることになるが、目標は年内への上場。そして最終的な資産規模は1000億円規模を視野にいれる。少なくとも500億円程度からスタートし、今後は年間200億円ずつ程度純増していくことを目指す。
 また、ケネディクスはヘルスケアリートへの物件供給を目的にしたプレリートファンドの組成に取り組み、リート創設を強力に後押しする。宮島氏は「プレリートファンドを含めてケネディクスが保有する物件はすべてこのリートのために優先交渉権を付与することで、フルサポートをしていきたいと考えている」と述べている。

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