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みはし 装飾材トップメーカーが光触媒施工事業に進出 メンテナンスコストの削減や環境保全に寄与

2013.07.22 16:25

 平成18年頃から急成長を遂げた「光触媒」市場。世界全体の市場規模は800億円~1000億円と試算され、今後も大幅な市場拡大が予想されている。そうした中、内外装飾材に特化した国内最大手メーカー・みはし(埼玉県和光市)が今年5月から参入開始。「光金杯(こうきんぱい)」と命名し、光触媒コーティングのプランニング・施工を展開していく。
 光触媒とは紫外線に反応し、強力な酸化分解力を発揮し、大気汚染物質や細菌などの有害物質を分解・除去する材料を指す。壁や天井、外壁などを光触媒でコーティングすることで、防汚、大気浄化、脱臭、抗菌などの効果を得られる。さらに、超親水性である光触媒は、水が付着すると汚れと一緒に流れる「セルフクリーニング」を発揮する優れものである。
 同社光触媒販売課・課長の吉田和正氏は光触媒コーティング事業に参入した理由を次のように話す。
 「ここ数年、ウェーブ柄や花柄などの壁面装飾パネルを取り入れる物件が急増しており、壁面を飾りつける建材は、その意匠性の高さから清掃が難しい。装飾材の専門メーカーである当社も室内外の帯状の装飾材『モールディング』を40年以上取り扱ってきており、公共・商業施設やマンション等に装飾材が採用されており、光触媒コーティング事業を展開することで、装飾材を美しく保ち、メンテナンスコスト削減や環境保全面でも貢献したいと考えています」
 鯤コーポレーション(佐賀県武雄市)が開発・製造する光触媒「サガンコート」を使用。有機溶剤を含まない環境に配慮したコーティング剤であり、含有する酸化チタン結晶を細かく精製することで酸化分解効果を高めているのが特徴だ。
 「光触媒のコーティング作業は塗りむらがあると正しく効果を発揮せず、高度な施工技術が求められます。光触媒市場の健全な発展のためには専門技術を持つ技術者の養成が不可欠であるため、当社では技術研修会を開催し、技術者を養成しながら施工代理店を増やしていきたいと考えています」(吉田氏)

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