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日本カンタム・デザイン エアコンの劣化した性能を大幅回復させる新技術

2013.02.04 13:56

 「当社が展開している『TEL-CON<テルコン>エコシステム(以下テルコン、追設コンデンサー)』は、エアコンを普通に使用しながら最大限の省エネ効果を得られる唯一の技術です」と話すのは、ハイテクな物性測定装置等を開発・販売する日本カンタム・デザイン(東京都豊島区)の田口昌二代表取締役だ。
 テルコンは帝人グループの帝人エンジニアリングが開発した省エネ新技術だ。精密な物性測定装置を取り扱う一環として冷凍装置の開発も行っていた経緯から、帝人エンジニアリングから事業継承し、昨年5月から販売活動を本格化した。
 一般的なエアコンは稼働年数が経過すると共に運転効率が悪くなっていくのは避けられない。エアコンの寿命とされる10年~15年が経過していれば設備更新も検討できるが、運転効率が悪くなるのは稼働3年目ぐらいから。買い替えのタイミングではなく、減価償却も済んでいない場合もある。なおかつ設備更新は導入コストが莫大だ。そうしたケースに対して、テルコンを室外機に外付けするたけで圧倒的な省エネ性能を得られるようになる。
 通常のエアコンのコンデンサーは、気化した冷媒を液体に戻し、室内機に送った段階で冷媒が気化熱を吸収して室内を冷やす仕組みだ。ただ、コンデンサーは稼働年数と共に劣化してしまい、気体を完全に液化することができなくなる。これにより気体と液体が混ざった状態の冷媒を室内機に送ってしまい、最初から気体が混ざっているため、冷房効果が著しく損なわれることになる。つまり、コンデンサーの劣化が冷房効率の悪化を招く最大の要因となっているのだ。そのため、テルコンを室外機に追加設置すれば、結果として2段構えのコンデンサーとして活用できる。さらに、テルコンは通常のコンデンサーと構造が異なり、毛細血管に似た技術を応用した液化能力は桁違いだという。
 「国内カーボンクレジット認証実績もあるテルコンを設置すれば、導入時の性能を取り戻すことができ、これまで以上の省エネ効果が得られるようになる可能性もあります」(田口氏)
 テルコンの定価は約7万5000円。設置枚数は空調設備の規模によって異なるが、基本的にすべての空調メーカーのどの製品でも導入可能だ。ただ、既存空調機に設置する場合、メーカー保証を受けられなくなる可能性もある。しかし、同社ではテルコン設置1年以内で冷媒系統に不具合が生じた場合、同社が修理まで対応してくれるので安心だ。

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