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東芝 国内初の大規模ビル群向けデマンドレスポンス

2013.01.14 14:19

 東芝(東京都港区)は、横浜スマートシティプロジェクト(以下YSCP)のビルマネジメントシステム(BEMS)を活用した業務・商業ビル部門での本格実証として、1月8日から開始された電力のピークカット量の最大化等を目的とした冬季のデマンドレスポンス(DR)実証に参画した。
 大規模なオフィス・商業ビルを群管理して、BEMSを活用し、電力のピークカット量の最大化を図るDR実証は国内で始めてのケースだという。冬季の暖房用電力需要の増大などが想定される中、地域レベルでのエネルギーの最適利用の実現に貢献する取り組みとなっている。
 この実証は、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)と統合BEMS、スマートBEMSを連携させ、前日の天気予報において、最高気温8度以下が予想される場合、電力需要ピーク時にDRを発動し、電力使用を最大限抑制するもの。東芝は、DR発動を担うCEMSと統合BEMSの運用を担当し、横浜市内の対象となる大規模ビル6棟それぞれのBEMSにエネルギー最適化・効率化を指示する役割を担う。YSCPは、日本型スマートコミュニティの構築や海外展開を実現するための取組みとして、経済産業省が平成22年4月に「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定し、進められて来ているプロジェクトで、今回エネルギーマネジメントの本格実証が開始することになる。天候・気温、インセンティブ単価(円/kWh)等の変数とDR発動によるピークカット量の相関など、さまざまな検証データを蓄積していく予定であり、今後、住宅サイドへの実証範囲の拡大なども見込まれている。東芝は、YSCPに対して、プロジェクトマネジメントの立場で全体統括を担うと共に、CEMS、BEMS、ホームエネルギーマネジメントシステム、マンションホームエネルギーマネジメントシステムのワーキンググループ幹事としても参画し、スマートコミュニティ事業推進の主要プロジェクトと位置付け、取り組んでいる。同プロジェクトを通して蓄積した知見やノウハウを、今後、東北復興プロジェクトへの展開、海外のスマートコミュニティプロジェクトへの応用へと繋げていく計画となっている。東芝は、スマートコミュニティ事業を注力事業と位置づけており、平成27年度の同事業の売上高は9000億円を目指していく。

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