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リスト 既存住宅の瑕疵保証付き仲介が好評

2012.06.04 11:19

 建物の売買には一定のリスクが伴うのが常。特に収益物件では見る目もシビアになるが、重大な瑕疵を購入時に確認しきれず泣き寝入りという例も少なくない。またこうした事例がトラブルに発展する可能性もあり、不安感から売主・買主ともに慎重にならざるを得ない。こうした不安要素を減らす動きが、一足速く中古住宅流通業界からでてきた。
 横浜市を中心に不動産売買・賃貸仲介などを手掛けるリスト(横浜市中区)がスタートした「いい物件5年保証制度」は、同社を通じて売却依頼した建物(戸建住宅)に建物検査を行い、合格した物件に対して5年間の瑕疵保険を付保し、引渡し後、瑕疵が見つかった場合、修理費用等を上限1000万円まで補償するというもの。
 これまでもこうした瑕疵保険はあったが、「いい物件5年保証制度」は基本的に同社が売買仲介(売却)するすべての戸建住宅に適用される。建物検査に伴う費用や5年間の保険料など合計約20万円は同社が負担するため、売主・買主ともに負担ゼロで安心を得ることができる。プロが行う検査に通らなければ同制度が適用されないため、むしろ適用されていることで安心が担保されている面もあるという。
 同社流通事業本部の早坂貴志氏は「今後多くの空き家を抱える日本において、住宅に限らず、不動産業はいかにストックを流通させるかが重要です。トラブルへの懸念から住宅を買い控えるようなことが少しでも減れば」と話す。瑕疵への不安は住宅・ビルを問わず存在しているが、同社ではビルなど収益物件への適用も検討したいという。
 瑕疵保険付き仲介が不動産流通の新たなスタンダードになる日が来るかもしれない。

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