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三菱伊勢丹ホールディングス 池袋店と鹿児島店に次ぐ同HD三店舗目の閉店 伊勢丹吉祥寺店が来年3月に閉店を発表

2009.05.18 17:22

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、5月12日、東京都武蔵野市にある「伊勢丹吉祥寺店」を平成22年3月上旬に閉店すると発表した。
 閉店の背景には、ライバル店との競争の激化と、昨秋以降の消費不振で売上が減少し、営業継続が難しいと判断したものだ。伊勢丹が首都圏の店舗を閉店するのは昭和54年の八王子店ぶり。
 三越と伊勢丹が統合する以前、JR「吉祥寺」駅には三越吉祥寺店があったが平成18年に撤退、現在はヨドバシカメラとなっている。最近では三越池袋店、鹿児島店を閉店したばかりだった。
 吉祥寺店は昭和46年11月にオープンし、売り場面積は約2万1000㎡。財団法人武蔵野市開発公社が東京女子体育短期大学の敷地を再開発し、竣工させた大型商業施設「F&Fビル」のメインテナントであった。武蔵野市が借地権を購入したもので、当時は官民あげて伊勢丹を誘致したという。JR「吉祥寺」駅前に並ぶ商店街の中心的商業施設として、閉店を嘆く地元の声も多い。しかし、吉祥寺店は管理会計上数年にわたり赤字が続いており、平成21年3月期の売上高は前期比6・5%減の174億3200万円となっていた。
 同HDは「投資をしても回収が見込めない店舗は、今回のような判断をする」とコメントしており、他百貨店にも経営上の厳密な精査が行われそうである。
 なお、伊勢丹閉店後の次期入居テナントの募集・入居についてはこれから調整を重ねていくとのことだ。

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