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<省エネ事業>昌平不動産総合研究所 電気消費量を換算値で計算排出量をホールに貼り出す CO2排出量「見える」化で省エネ意識高揚

2008.10.06 18:08

 社団法人東京ビルヂング協会の中にある研究会、東京中小ビル経営研究会(代表世話人猪:股徳臣氏)において、これまで中小ビルの地球温暖化防止対策に関する実態調査が行われてきた。
 その結果を受けた取り組みとして、昌平不動産総合研究所が運営する「本郷瀬川ビル」では「1棟のビルから排出される1日あたりのCO2排出量」の掲示を行っている。エレベーターホールにパネルを設け、「本日のCO2排出量」として数字を掲示することで、「今日はこの数字だが、昨日と比べてCO2排出量が増えて(減って)いる。この原因は何なのか」といった様に、テナントに対し省エネルギーの意識を高揚させるためだ。
 CO2排出量の算出方法は、各電力会社等が公式発表を行っている換算値を用いて、電気使用量からCO2排出量を算出する。例えば同研究会では「東京都地球温暖化対策指針」(平成13年4月1日施行)の換算値を採用しており、昼夜間電力の区別がない場合は0・286㎏CO2/Kwh(ガスは0・513㎏CO2/MJ)として計算している。昌平不動産総合研究所では、エクセルで計算表を作成し、毎日統計を取り数値の掲示を行っている。
 「電気使用量はメーターを見ればすぐ分かりますので、誰でも簡単に実施できると思います。エクセルの計算表は毎日行う日報用と毎月行う月報用の二種類作成しており、毎日計算するのが困難な方は月1回でも良いと思います」(清宮氏)
 省エネルギーの取り組みは、各ビル経営者それぞれに経営事情もあって一概に「こうするべき」と言うことが難しい。最終的には個々の経営者の判断にゆだねられるが、清宮氏は次の様に話す。
 「エコはあくまでも人類全体が抱えている問題。経営も大事ですが、金銭で全てが解決する問題ではありません。まずは自社ビルがエコへの取り組みを行っているということを宣言し、テナントに興味を持っていただくためにも、この『CO2の見える化』が一役買うのではないでしょうか」(清宮氏)

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