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スタジオナガレ オーナー負担ゼロで商業ビル活性化「スワローズネスト芝浦」オープン テナントの組合化で新たなリノベーションの形を提案

2007.10.01 17:49

 10月1日、商業ビル「スワローズネスト芝浦」がオープンした。
 プロデュースを手掛けたのは、店舗デザイン会社のスタジオナガレ(東京都渋谷区)。飲食店開業者に専門家が直接対応する情報発信ライブラリー「コマラボ」など を中心に事業展開している。
 個人の飲食店開業者が不動産方面のノウハウを持たず苦労していることから、同社は事業者の組合を結成し、ビルオーナーと交渉。組合側の資金で物件のリノベーションを行い、コンセプトビル「スワローズネスト芝浦」としてリニューアルオープンさせた。今後は同案件を皮切りに、こうした商業ビル活性化事業を拡大していく。
 港区芝浦に立地する築29年、地上5階建ての同ビルは、2階から4階までが一年ほど空室であった。駅より多少距離があること、エレベータがないこと、住居仕様であることが問題であったが、個性的な飲食店舗が入居することで目的店としての機能を備え、ビル全体の価値が向上するようプランを立てた。外壁やエントランス・階段など共用部の改修費用はテナント側が持ち、同社が手掛けた。同事例の場合、オーナー側の負担は、給排水など設備面の改修費用のみである。賃料は募集時と変化がない。
「不動産業界において『リノベーション』が認知されて年月が経ちましたが、今後はオーナーとテナントとが共同で行い、双方にメリットをもたらす新たな形のリノベーションを提案していきたいと思っております」(代表取締役横井貴広氏)
 各店舗は一ヶ月前より試験的にオープンしているが、来店者数は予想以上だという。同社の手配で食材の共同仕入れや共同販促などを行えることも、店舗業者にとっては大きなメリットだ。なお同社側は、一社で全店舗の内装を手掛ける他、「コマラボ」を通じてのコンサルティング料金、ビルを総合プロデュースすることによる知名度アップなどを得る。
「現在、都内の他のビルオーナーの方からの依頼も何件か来ています。今後は地域の活性化にも貢献していく所存です」

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