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銀座震災対策委員会 「銀座を守る」震災訓練、今年も実施 ビルオーナーの働き掛けで5000人規模に

2007.08.20 11:48

 8月の末日に、銀座中央通りには5000人を超す人が集まる。今年度で第26回を迎える「銀座震災訓練」だ。
 今年も8月31日に実施される同活動の説明会には、町会役員や防災指導員、事業所の防火責任者など約180名が参加。当日は午前9時30分より各ビルにおいて、地元住民、各事業所、行政・公共機関が団結し、避難誘導や初期消火、負傷者搬送などの訓練を行う。
 この活動を興し、現在も尽力しているのが、銀座震災対策委員会の事務局長を務める森連氏だ。銀座6丁目に建つ「新太炉ビル」のオーナーとして貸ビル業を営む傍ら、平成14年より京橋消防団の団長も勤める。
 「銀座は『お客様と従業員を大切にする』街です。貸ビル市場において当エリアが日本一の坪単価を誇れるのは、日々の努力あってこそ。安全面やデザイン面など、あらゆる方向から街をよくする取り組みをせねばなりません」
同氏が消防活動に携わるようになったきっかけは、昭和50年、連合町会長より力を貸してほしいと依頼されたこと。住民の少ない銀座では、当時、消防団はほとんど活動していなかった。熱意に打たれ翌年、京橋消防団第3分団長に就任した同氏は、以降勉強を重ね、昭和56年に銀座震災対策委員会を発足させた。訓練はその翌年から続いている。築地警察署から通りを全面交通止めにしての使用許可を得るなど、苦労を重ねた。
 他地域で行われる震災訓練は警察署や消防署が主導するが、同活動はあくまでも「自主防衛」。平成16年度には、防災に関する地域独自の優れた取り組みに贈られる「まちづくり大賞消防庁長官賞」を受賞した。
 「各自の意識を高めることが目的ですから、参加の無理強いはしませんが、25年続けてきたことで自然な盛り上がりを見せ、今では街を歩いていると『防火服を作りたい』などと声を掛けられるようになりました。これを機に、会内の組織化も考えております」

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