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<新戦略>エスグラントコーポレーション リーシングマネジメント事業部を新設 透明性高めたサブリースリノベーションなど提案

2007.08.06 14:42

 投資家向けデザイナーズマンション開発などを手掛けるエスグラントコーポレーション(東京都目黒区)は、7月1日付けでリーシングマネジメント事業部を新設した。外部からオフィスリーシング経験者を募り、オフィスリーシングに加えて、プロパティマネジメント(PM)や新しいタイプのサブリース事業などを展開していく。
 「これまでのサブリース事業とは異なり、ビルオーナーに対して、転貸する際の賃料を開示するガラス張りのサブリースを提案していきます」(リーシングマネジメント事業部ゼネラルマネージャー三森智行氏)
 具体例を挙げると、仮に坪2万円が妥当だと見られるビルの場合、その80%の1万6000円で同社が借り上げる。契約期間中に2万円の85・1%にあたる坪1万7020円を超える賃料でテナントと契約した場合、超過分の賃料はオーナーと同社で折半するインセンティブ制度も設けた。仮に、誘致したテナントと坪2万円で契約できた場合、オーナー側の手取り収入は坪あたり1490円上乗せされる。
 「旧来の長期間の賃料保証を行なうサブリースであれば、市況低迷時のリスク回避という意味でオーナーのメリットは大きかったと思いますが、近年主流となっている賃料見直しが可能なサブリース契約では、リスク回避としても効果が少なくあまり魅力のないものでした。しかし、長期間の賃料保証は引き受ける事業者のリスクが大きいため現実的なものではありません。一方で、本業を抱え、ビル経営は専門業者に任せてしまいたいというニーズも強いため、インセンティブを盛込んだ新しいサブリースサービスを提供することになりました」(三森氏)
 サブリースは50坪程度のワンフロアから引き受ける。契約期間は通常の賃貸借契約で2年から。賃料最大化のためのリノベーション提案も行なう。物件によってはインセンティブ部分の分割割合を調整して、同社がリノベーション費用を負担することも検討する。
 デザイナーズマンション開発および一戸単位からのリノベーション事業のノウハウを活かした提案や、サービス面での差別化も図る。今後取り組んでいくのは、テナント社員に対する業務や福利厚生のサポート。医療機関やケイタリング事業者、マッサージ店、引越事業者、旅行代理店などと提携して割引価格のメニューを網羅した「ゲストブック」を配布する他、事務用品の割引販売なども行なう予定だ。将来的には保養施設の案内や、居住用物件情報の提供も視野に入れる。

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