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<顕在化するビルのリスク>国土交通省 エレベーター主索のストランド破断の実態 エレ協報告などを公表

2007.06.25 17:12

 国土交通省は、(社)日本エレベータ協会から報告のあった、業界大手5社の過去1年間におけるエレベーター主索のストランド破断の実態を発表した。発表の詳細を見ていく。

 平成18年6月1日以降のエレベーター主索のストランド破断件数は、今年6月14日現在、業界大手5社で41件確認された。破断したストランドは全て交換を終えている。詳細としては、三菱電機ビルテクノサービス4件、日立ビルシステム21件、東芝エレベータ5件、日本オーチス・エレベータ6件、フジテック5件である。
 なお、大阪市から報告のあった大阪市営地下鉄堺筋線恵美須町駅の日本エレベーター製造が保守点検しているエレベーターのワイヤーロープの破損についても同時に発表された。利用者が5月8日に昇降路内の異音に気づき、日本エレベーター製造に連絡し、同社が調査したところ、全4本のメインロープのうち1本のロープにストランド切れが発生していることが判明したという。既に交換して運行を復旧している。
 これらの報告を受けて国土交通省では建築基準法第12条第5項に基づき、各社が現在保守点検しているすべてのエレベーターの主索について、緊急点検の実施及び結果の報告を求めるよう、全国の特定行政庁に通知。社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会において、エレベーター主索のストランド破断の再発防止等の観点から、定期検査の方法や報告内容のあり方などについて検討していく。

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