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<オフィスビル開発新潮流>日本綜合地所 本社ビルを”花粉症対策”ビルに 入館時にエアシャワーを義務化

2007.02.05 16:36

 日本綜合地所(東京都港区)は、昨年12月11日、「花粉症対策」を施した本社ビルを竣工した。ビル内の換気用フィルタ全てに花粉除去フィルムを使用し、エントランスにエアシャワー3機(加えて地下入口に1機)を設置して、入館時の使用を義務付けている。
 同ビルは、平成14年に購入した物件を解体し、一昨年より工事に着工していたもの。地上10階建てで、館内ワーカーは150人ほどだ。
 「エアシャワーは竣工時に設置しましたが、使用を開始したのは1月22日からです。空気がきれいになり、過ごしやすいと好評です」(経営企画室主任松本誠司氏)
 今回設置されたのは、同社が昨年2月より、日本無機(東京都中央区)と共同開発を進めてきた新築分譲マンション用の花粉除去フィルタと、同社製のエアシャワー機である。花粉除去用エアシャワー機の希望小売価格は1台300万円程度。設置費用は、30万円〜50万円だ。日本無機クリーンシステム部によると、産業用製品の意匠性を向上し、風による髪の乱れを考慮して内部に鏡を備えたという。
 今回竣工した本社ビルには、花粉症対策の他、人感センサ・昼光センサによる照明制御装置や、暖房効率を高めるための床吹き出しによる空調設備、10万7000lの雨水が貯留可能な貯留槽など、環境への配慮もなされている。また、同ビルに隣接するビルも所有しており、現在解体工事中である。来年7月には、同じく本社ビルとして竣工予定だ。現在のビルとはエントランスが別々になるが、来客用としてエアシャワーを6機設置する予定である。
 なお、現在高輪にて建築中の複合ビルにも導入を検討しているという。

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