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興和不動産 学術標本などをパッケージ化 自由に遊動するミュージアム 東大と産学連携してビルエントランスを博物館に

2006.10.09 10:32

 興和不動産(東京都港区)は、東京大学総合研究所博物館(東京都文京区)と産学連携して「モバイルミュージアムプロジェクト」を開始する。
 同プロジェクトは、博物館に蓄積された400万点におよぶ標本などを展示コンテンツとしてパッケージ化し、オフィスビルや公共施設、小中学校の空き教室などへ中長期的に展示するもの。「蓄積されたコンテンツを持って社会に飛び出していく」(東京大学総合研究博物館 西野嘉章教授)というように、自由に遊動するミュージアムをイメージしている。「これまで移動博物館として自治体などに展示品を貸し出すことはあったが、小規模の展示品をパッケージ化して展示するのは初めての試み」(同・林良博館長)だという。
 今月10日に移転する興和不動産の新社屋(港区南青山1-15-5興和南青山ビル)役員フロアにてトライアルを行い、来年1月から旗艦ビルである「赤坂インターシティ」(港区赤坂1-11-44)のエントランスホールでプロジェクト第1号の展示を行う。期間は3年程度を予定しており、6カ月に1度展示換えを実施。ゼミの学生や研究員がコンテンツを形成し、来館者へのアンケートなど追跡調査を行う。興和不動産の代表取締役社長名倉三喜男氏は、「大規模ビルは公共財産。街づくりに役立てばと考えて協力することにした。今回のプロジェクトの状況を見ながら今後開発を進めるビルでも同様の取り組みを実施していきたい」と語っている。
 なお、同社は展示場所を提供する他、展示用のケース展示に伴う諸費用に関して、寄付などを通じて負担する。

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