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森ビル オランダヒルズ通期稼働等賃貸管理事業の収益が拡大 表参道ヒルズ稼働などで経常が過去最高益に

2006.06.12 17:30

 森ビル(東京都港区)の平成18年3月期決算は、営業収益1527億円で1・7%の減収。営業利益は376億円を計上し、11%増益。経常利益は229億円となり前期比24・7%の過去最高益を計上。当期純利益は、減損会計の早期適用による特別損失計上を行った前期に比して97・3%増の111億円となり大幅増益となった。
 増益の要因となったのは、「賃貸管理事業収益」で、基幹ビルの六本木ヒルズやアークヒルズなどへの強い需要とともに賃料の値上げや、六本木ヒルズの増収および表参道ヒルズの新規稼働が寄与した。
 また、前期竣工したオランダヒルズの通期稼働や中国にて保有している上海HSBCタワー、大連森茂大厦も高稼働し、前期比62億円増の1005億円を計上している。また、「不動産販売事業収益」については、アーク森ビル(1フロア)の森ヒルズリート投資法人への売却などにより、79億円を計上。「ホテル事業収益」についても、グランドハイアット東京が、平均稼働率92・6%、平均客室単価3万9305円と開業以来の高稼働を維持し続け、6億円の増収により150億円を計上している。
 今期の見通しについては、表参道ヒルズの通期稼動や、135億円の計上を予定している森ヒルズリート投資法人への物件売却などを織り込み、営業収益1690億円(10・6%増)、経常利益280億円(21・9%増)、当期純利益140億円(26・9%増)の増収・増益を見込む。
 同社では、現在、虎ノ門・六本木地区および虎ノ門・麻布台地区、平河町二丁目東部南地区、横浜北仲通北地区等で新しい市街地再開発事業を推進している。また、2008年には、中国で建設中の「上海環球金融中心」など、世界的大プロジェクトの完成も控えている。

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