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長谷工コーポレーション 工期を最大40%短縮する新工法開発 最短6日で1フロアの躯体工事終了

2005.11.07 15:51

 工期短縮に対する要請は依然として根強いものがあるが、有効とされる工業化手法はどうしても割高になってしまう。そのような背景から、長谷工コーポレーションでは在来型工法でマンション建設の工期を最大40%短縮する工法を開発した。
 長谷工コーポレーション(東京都港区)は、1フロアの躯体工事を6〜7日(従来同社標準13日)で終えられる「マンションEC工法」を開発した。
 15階建てのマンションなら、特殊要因による工期を除く設定工期で、従来の平均14ヶ月を8・5ヶ月に短縮できる。
 「マンション業界では、資材価格高騰や地価上昇、用地獲得競争の激化など、総事業費用の拡大要因が増加しており、事業主からのコスト上昇抑制と工期の短縮要請は高まる傾向にあります。そうした背景から在来型の工法と工業化手法を組み合わせた新工法を開発しました」(宮崎氏)
 工期短縮が可能な理由は、まず建設地内の作業ヤードで柱・梁・壁の鉄筋やトラス梁付デッキを先組みし、鉄筋接合には機械継手を採用したことで、作業効率の向上と作業の同時進行が可能になったことがある。次に、外部階段にPCa、キャンティスラブのハーフPCaを採用するなど、工業化手法も併用して更に効率化を図った。他にも、型枠付スライド足場を使用することで、足場作業および型枠組立・解体作業を省力化している。
 既に今年4月末に着工した「ガーデンホーム大森スカイビュー(地上13階、52戸)」で実用化し、来年3月の竣工を目指して工事が進行している。
 「本来は、15階200戸程度のマンションで最も効果を発揮するはずですが、難しい条件の物件に初適用することで、工法の可能性を高めたいと考えています」(宮崎氏)
 建築コストは6〜10%程度上昇するが、金利負担や事業資金回転効率を考えると吸収できる範囲に抑えられている。

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