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三機工業が新型BEMSを開発 省エネルギー自己診断機能を搭載

2002.09.16 16:08

 三機工業(東京都千代田区)は、国内初となる省エネルギーの自己診断機能を持たせたビルエネルギー管理システム(以下BEMS)を開発した。これを機に改正省エネ法で必要となる省エネ対応策の立案・検証の支援を含めたエネルギー総合コンサル業務に注力してゆく考えだ。
 従来のBEMSは、エネルギー消費量のトレンドを日報・月報の形で出力することは出来たが、その時々の稼働状況を省エネルギー効果の観点から自己判断することは出来なかった。
 それに対し、この度同社が開発した新BEMS「S-BEMS」は、建物のエネルギー計測システムと、そのデータを蓄積し、解析するデータベースサーバーで構成されており、リアルタイムでエネルギー使用量の絶対値、空調用や照明用等系統列の電力量、それぞれの省エネルギーシステムの効果などといったデータを出力することが可能になっている。
 これにより、ビルオーナーは経営戦略に判断材料となる省エネルギーに関する情報をリアルタイムで入手することが出来、省エネルギー対策の速やかな実行が可能になる。
 改正省エネ法では、新たにビルオーナーにエネルギー管理の定期報告が義務付けられるが、この業務を支援するだけでなく、複数の省エネシステム間に発生する運転上のミスマッチングを解消することが可能になる。更にオプションである最適運転コントローラーを組み合わせることにより最大で全体の30%の省エネルギーを図ることもできるという。
 また、BEMSは、地球温暖化の防止に向けた業務用ビル省エネ策としても期待されており、今年度からは導入に対しては国側で補助金が支給されることになるという。
 同社としても、今後は新築工事をはじめとして、リニューアル工事やエスコ事業などに対して同システムを積極的に取り入れることで、市場の拡大と、顧客サービスの充実を図ってゆく考えだ。

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