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大林組 粘弾性体用いた新型制振装置を開発

1999.12.20 16:30

 大林組(港区)は粘弾性体を利用した間柱型の制振装置「粘弾性カラムダンパー」の開発に成功し、品川駅東口再開発事業で同社が手がける超高層賃貸住宅等(地上31階地下2階建、高さ97.9m、延床約6600坪)に適用することを発表した。
 この「カラムダンパー」は従来のブレースダンパー(筋違い型制振装置)と異なり、上下の梁との間に設置する間柱型で、鋼板と鋼板の間に新しく開発された薄いゴムを挟むことで建物の変形エネルギーを吸収し揺れを抑える仕組み。
 また梁と梁との間に設置をするので柱と梁で囲まれたフレーム部分にドアや開口部を設置することが出来るなど、従来の装置の難点のひとつであった設計上の制約面も解消した。
 今回同装置が用いられる超高層住宅は塔状比(建物の高さと幅の比率)が5.4と高く、住宅という性格上風に対する居住性を改善する必要があった。今回同装置を各階に5台ずつ設置することで風に対する揺れが40%低減。また耐震性能も向上したという。
 他にもメンテナンスがフリー、新築建物の他既存物件にも利用が出来るなど様々なメリットがあることから同社ではオフィスビルや一般集合住宅へも販売を拡大してゆく予定だ。

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