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ADワークスグループ クラファン「REALE」をスタート 2034年税引前200億円へ「柱」育てる

2026.09.14 10:44
ADワークスグループ(東京都千代田区)は8日、記者向けの説明会を開催。同社が進める系統用蓄電所事業と、9月10日にローンチした不動産クラウドファンディングサービス「REALE」についての進捗と今後の展望について説明が行われた。
ADワークスグループは9月10日、不動産クラウドファンディング「REALE(リアレ)」を開始した。不動産クラウドファンディングは少額で不動産に投資できるサービスで、サラリーマンなどの個人投資家層からの資産形成商品としての需要が強い。同社はBtoCビジネスの強化を進めており、「REALE」をその柱として育成する。
「REALE」という名称はコンセプトである「人に社会に、利あれ。」に由来する。個人投資家の資産形成に寄与すると同時に、クラファンには同社が得意とする一棟再生事業で手掛ける物件を組み込み、このコンセプトの実現を目指す。
同日に公開された第1号ファンドは東京都目黒区三田に所在する「ユーレジデンス恵比寿」を対象としたもので、募集総額は4億6200万円。想定運用期間は6カ月、想定利回りは6・5%となる。不動産クラウドファンディング市場のプレイヤーは多くいるが、同社のこれまでの事業で培った目利きや物件価値向上のノウハウなどを生かす。
透明性確保にも力を入れる。執行役員の吉田淳・事業企画部門部門長によれば「募集する案件は、当社が年1万4000件の物件情報から厳選し商品化するものであると同時に、弁護士や公認会計士を加えたコンプライアンス委員会でも精査したうえで、商品化していく」という。不動産クラウドファンディングはニーズが強い一方、事業者のずさんな運営による行政処分なども目立つ。しっかりしたガバナンス体制の構築とともに、「情報公開も進める」(吉田氏)という透明力で、投資家の信頼を獲得していく。
中長期では不動産特定共同事業法(不特法)第3・4号事業許可の取得を目指す。不特法1・2号事業は物件所有がADワークスグループとなり、バランスシートに載る。一方、第3・4号事業許可を取得すると、SPCを設立できるようになりバランスシートの制約を受けずに事業運営が可能となる。吉田氏は「事業基盤を固めたのち、行政との兼ね合いもあるが、遅くとも2029年頃の許可を目指していきたい」とした。
アセットも当初はレジデンス中心になるが、将来的にはオフィスや商業・ホテルなどにも拡大していく。吉田氏は「『REALE』を一定の規模に育てていくことが重要になる」とし、27年末までに「会員数2万人を目標にしたい」と語った。
2025年から参入する系統用蓄電所事業の進捗も着実に進んでいる。系統用蓄電所は市場形成期であり、参入事業者も少ない。事業企画部門インフラアセット事業部の岩田隆志部長も参入当初は「手探り状態だった」と振り返る。
今年3月には第1号物件の「ADW三重松坂市蓄電所」の稼働が開始し、6月には需給調整市場での取引もスタート。8月には第2号物件の「ADW熊本益城町蓄電所」が卸電力市場で稼働を開始し、11月末をめどに需給調整市場にも参入する。これら2物件をあわせて、すでに9案件を取得。27年度末までに8案件の稼働、28年末までに15案件の稼働を目標に据える。
系統用蓄電所事業は同社のなかでの事業的位置付けは投資フェーズにあるものの、試算によれば年間の想定運用収益は年平均で11カ所の蓄電所が稼働したとして年8~13億円とみる。将来的には売却なども視野にいれており、売却した蓄電所についてはAMを受託することで収益を確保していく。
蓄電所は日本の電力における脱炭素を担う上で不可欠なインフラだ。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では2040年度の再エネ比率を40~50%に引き上げる(25年時点で22・9%)。再エネ比率を高めていくためにも、蓄電所へのニーズは高い。現在ADワークスが手掛ける蓄電所は高圧のものとなるが、岩田部長は「中長期的には特別高圧も視野にいれている」と明かした。
同社は2034年に税引き前利益200億円を目標に据える。既存の事業に加えて、不動産クラファンや蓄電所などの成長期待の高い新規事業に取り組むことで、この目標をこなしていく構えだ。



